サウジアラビアの男性がこのほど、誰にもぶつけようのない苦悩と怒りの中で妻との離婚手続きに入ったとして話題を呼んでいる。妻からまさかの「ラクダ以下」と言われ、男のプライドはずたずたである。
サウジアラビアのメディア『Sada』が報じているところによれば、その夫婦のトラブルがあらわになったのは、リヤド西部にある妻の実家を訪れた時のことであった。「僕がどれほど君を愛しているか」と繰り返し言葉にする夫に、妻はしらけた顔で「私もあなたのことが大切よ。でも父が飼っているラクダの“アル・ワリーフ”ほどにはあなたを愛せないかも」と返事した。実家から帰宅する途中にも嬉々とした表情で“愛しいアル・ワリーフ”の話をする妻に怒りは頂点に達し、男性は妻にこう言い放ったという。
「君の正体はきっと四肢動物なんだ。私は人間同士の会話をするに値する女性と人生を歩んで行きたい。よってこの結婚生活はここまでだ。君は今後、愛するラクダと一緒に暮らすといい。」
こうしてその男性は妻との離婚手続きに入った。しかしこのニュースには、国内外より「そんな些細なことでキレるな」と男性を叱る声、「夫をもっと立てて」と女性を叱る声、そして「愛と尊敬に満ちた結婚生活を送るためにも、2人とももっと大人になって」といった説教調のコメントばかりが寄せられている。実は近年、この国では結婚件数に対し離婚件数が5分の1にまで迫っていた。同じ男性が2度、3度と離婚を繰り返すこともあり、男性が一夫多妻制度を善しと考える一方で女性は若い年齢での結婚を敬遠し、自立できる職業を目指すようになっているそうだ。
この妻も真剣にラクダと夫を愛情の天秤にかけたわけではなく、“あなたといるよりラクダといる方がよほど心が通じ合う”と言いたかったのだ。インド、パキスタン、そして中東。たとえ不自然な組み合わせであろうと、親の価値観で幼い少女を含む娘たちの縁談をまとめてきたような国で今、男女の間にある結婚観の相違がいよいよ顕著になっているのであろう。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)