ハンガリー西部にあるMegyerという小さな村が、“ここをまるごとレンタルします”と宣言して話題を呼んでいる。のどかな田園風景、広い空、馬やヒツジ、農地、そんなものを10万円もあれば1日たっぷりと独り占めできるそうだ。
ブダペストから180kmほど離れた、ハンガリー西部・ヴェスプレーム県のMegyer村。そこのKristof Pajer村長が今、意外な形で村の助役を募集していることを欧州の複数のメディアが報じている。
バラトン湖と温泉が観光客の人気を集めているヴェスプレーム県。県全体の人口は約37万5000人で、ヘレンドを中心に陶磁器の生産地としても知られている。しかしそのMegyer村の現在の人口は18人で、20軒の家屋のうち人が暮らしている家は5軒のみ。若者は海外やブダペストに流出し、村は衰退の一途をたどっている。
助役を引き受けてくれる人に対し、不動産の取得を強いることはしないという村長。1日あたり21万ハンガリー・フォリント(日本円で約9万2000円)のレンタル料により、市長の事務所、文化センター、4本の道路(うち2本はアスファルト舗装済み)バス停、家具つきの家7軒、馬6頭、牛2頭、ヒツジ3頭、家禽小屋、4ヘクタールの農地は使い放題、通りの名や法律も好きなように変更してよいそうだ。
Pajer氏はブダペスト出身でエンジニアだという42歳。10年前にその村を訪れてすっかり惚れ込み、1年後に不動産を購入したところ村長に選ばれた。しかしその地のあまりの不便さに、彼が村を訪れるのは週に1度だけ。基本的には仕事のあるブダペストで生活をしているという。
ちなみに昨年夏には、米サウスダコタ州ベネット郡にあるスウェット(Swett)という広大な面積の町がまるごと40万ドルで売り出されて話題になっていた。売り文句は、“開拓時代の懐かしい光景が広がり、バーのハートフルなサービスがGood。ちょっと車を走らせれば本物のカウボーイに遭遇する”であった。
※ 画像はcivilhetes.netのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)