南アフリカにて2月12日、国会が開催された。国会議員にとっては晴れの舞台であり、1年で一番重要なイベントでもある。しかしトラブルが続出、大統領の演説が始まると乱闘騒ぎが起こった。
2月12日午後7時、南アフリカのケープタウンで国会が開かれた。しかし、始まる前から会議場内で電波がブロックされ携帯が通じないというハプニングが起こった。インターネットデバイスが使用できなければ、報道陣はニュース速報が配信できず大打撃である。その後、電波を妨害する機器が発見されたものの、報道陣や野党議員、さらに与党科学技術省長までもが携帯を振りかざし「電波を返せ!」と怒号が飛び交う一幕があった。
この電波妨害機器は軍の所有するものという見方が強く、現在調査中である。
電波が戻り、ズマ大統領が議長らと入場すると国会がいよいよ始まった。今回の国会は与党ANC(アフリカ民族会議)と対立する党が衣服の色を統一していた。主力野党のDA(民主連合)は黒い正装服に身を包み、左翼新党EFF(経済的解放の闘士)は「ズマ大統領の私宅に多額の公金が使われているのが許せない」という姿勢を見せ、いつものように赤い作業着を着用している。
ズマ大統領が一般教書演説を始めたとたん、大統領の声を赤い服の議員が遮った。通常は演説後に質問を受け付けるが、EFF議員は「ズマ大統領、いつ公金を返済するのですか」と追及。国会議長は着席を命じたが、赤い服の議員たちは怯まず早くも退席が言い渡された。怒り暴れるEFF議員たちに国会議長は警備員らにつまみ出すよう指示、ヘルメットで警備員を殴るなど大乱闘の末、赤い服の議員らは国会からいなくなった。
しかし、警備員が警察であることを知った野党DAは「国会内に警察を入れることは国権の乱用だ」と抗議し、今度は黒い服の議員たちが自主的に退場。半数以上が空席になると、ズマ大統領は何事もなかったかのように「中断したところから始めましょう」と笑いながら述べ、演説を再開した。演説内容には雇用促進、経済活性化などが盛り込まれていたが説得力はなかった。
翌日、野党らはANCのこのような対応に怒りをぶつける会見をし、一方で国民からは「国の恥だ」という声があがっている。
※ 画像はtimeslive.co.zaのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)