現在、南アフリカで深刻な問題となっている電力不足。電力会社は計画停電を実施しているが、ついに停電による死者が発生してしまった。
南アフリカでの計画停電は地域により時間が異なるが、通常は1日1回、2時間~2時間半ほどが対象となる。現在、夏真っ盛りの時期だが、数時間内のみと分かっていることからある程度は難なく乗り越えられる。しかし医療機器使用者にとって、命を脅かしかねない事態が起きてしまうのだ。ブルームフォンテーンに住む男性ウィリアム·エンゲルブレヒトさん(61)は2月5日、自宅で2度の計画停電に遭い、酸素吸入器が停止して亡くなってしまった。
ウィリアムさんは、重いじん肺を患っていた。じん肺というのは、粉じんを吸い込むことで肺に線維性病変などをつくり呼吸困難になる症状をいう。彼は酸素吸入器を常時使用していたが、1台では不十分のため常に2台稼動させていた。
午後2時から4時の最初の停電の時、家族は発電機で酸素吸入器を稼動していたが、発電機は2台の機械を2時間フル稼働できるほど強力ではなかった。そして2時間後の夜6時に再び停電が始まると、30分もしないうちにウィリアムさんは息を引き取った。
国営電力会社『エスコム(Eskom)』は現在、事実を確認中とのことだ。
※ 画像はnetwerk24.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)