英マンチェスターの白人家庭の子供たちがパキスタン人を侮蔑する言葉で呼び、手を叩きながら「大嫌い」と歌う動画が流出し、波紋を広げている。
英ロザラムで1997年から16年にわたり、白人少女1400人がパキスタン系の男たちによって性的暴行を受けていたという事実が昨年に発覚。イギリスでは改めて移民との間にある埋めがたい溝が浮き彫りになっていた。そんな中でマンチェスターのある白人家庭で撮影されたとみられる、パキスタン人への差別もあらわな動画が流出し、波紋を広げている。
輪になって座っている5歳前後とみられる3人の白人の女の子たち。“幸せなら手をたたこう(If You’re Happy and You Know It)”を少し替えて、“もしもパキが嫌いなら、さあ皆で手を叩こう!”と歌っている。パキスタン人を“パキ”と呼ぶことは、過酷な労働を彼らに強いてきた白人至上主義の歴史からくる傲慢さにほかならない。
この動画の話題を英メディアが大きく取り上げると、反人種差別を掲げる『Show Racism the Red Card』、あるいは『Stand Against Racism & Ineqality』といった人権団体が周囲の大人たちを強く批判。「こんな言葉を幼い子に教えたのは誰か。子供は人の心を純粋に映し出す鏡のような存在であり、大人が子供に教えたものの考え方は次世代にも影響する。むしろ人権と尊敬の意味を子供たちに教えるべきだ」と断罪した。
ただし近年のロンドンでは、白人から「移民が多すぎる。制限を」との声が多数あがっていた。ロンドンでは英国生まれの白人の割合が5割以下となり、インドやパキスタン、そして充実した医療保険制度に中央ヨーロッパからも移民が増えている。彼らによって自分たちの文化が崩壊すると不安を漏らす一方で、低賃金の労働力としてはやはり移民が頼りという白人たち。そこはもう覆しようのない移民社会となっている。
※ 画像はdailystar.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)