2014年、テレビのバラエティ番組は日本テレビの圧勝であった。反対に他局から心配されるほど、元気が無いのがフジテレビ。お笑い芸人の間でも“フジテレビの復活”を望む声は多いようだ。
テレビ業界のスタッフが大注目しているという、NHK『新春テレビ放談』。2009年から正月の深夜に放送されているこの番組は、10代から60代までの男女1000人にアンケートを実施した結果に基づいて、昨年放送されたドラマやバラエティ番組の“人気の秘密”を分析。2014年バラエティ部門では、5年連続で1位に輝いていた、テレビ朝日系『アメトーーク!』が3位に後退。1、2位には『踊る!さんま御殿!!』と『しゃべくり007』という、いずれも日本テレビのバラエティ番組が顔を揃えた。同局の勢いが、そのままアンケート結果にも表れている。
バラエティ部門の8位に『世界の果てまでイッテQ!』、6位に『ザ!鉄腕!DASH!!』、5位に『ザ!世界仰天ニュース』、4位に『月曜から夜ふかし』がランクイン。なんと日本テレビのバラエティが、ベスト10内に6番組も入っている。「日経エンタテインメント!」編集委員・品田英雄氏が、日本テレビの人気バラエティ番組に、有名芸能人の名が入っている「冠番組」が非常に少ないことに注目。これは“企画力で勝負する”という姿勢の表れであり、若手のスタッフも非常に活気づいていると話していた。
特に日曜の夕方からは、日本テレビの独擅場である。前述の番組の他にも『笑点』、『行列のできる法律相談所』といった人気番組がズラリと並んでいる。いずれも老若男女、一人でも家族でも楽しめる娯楽番組ばかり。長年バラエティ番組の演出を手がけているテリー伊藤は、「これこそがテレビの本流だ」と語る。演出側の感性が際立った番組作りは、どうしても特定の層にしかウケない内容になってしまい、その面白さが分からない人たちにはそっぽを向かれてしまうそうだ。
一方フジテレビのバラエティ番組では『ホンマでっか!?TV』が、やっと10位に顔を出しているだけ。かつては“バラエティといえば、フジテレビ”と称され、常に時代の先端を走っていた頃が噓のような凋落ぶりである。司会の千原ジュニア(千原兄弟)は「フジテレビが元気が無いのは本当にダメです!」と語気を強めると、演出家の福田雄一氏も「テレ朝の偉い編成の方も“フジテレビ、元気になんねぇかな”と嘆いていた」と話す。同番組の締めが“フジテレビには何も怖がらず、フルスイングして欲しい”とのエールだったことに、視聴者のみなさんはどう思われたのだろうか。
(TechinsightJapan編集部 みやび)