米ニュージャージー州南部でこのほど新種のカエルが発見された。ニューヨーク州でも同様のカエルが見つかっており、両生爬虫類学の専門家および環境保護活動団体などが注目している。
これまで確認されていなかった親指サイズの新しい種類のカエルが米ニュージャージー州のデラウェア川、デラウェア湾、ケープ・メイ・ポイント州立公園ほかいくつかの野生生物保護区、そしてニューヨーク州のスタテン島でも発見された。専門家らは今、それを“大西洋岸ヒョウガエル(Atlantic Coast Leopard Frog)”と呼んでさらに詳しい調査を進めている。カエル独特の鳴き声ではなく、うなり声あるいは咳のような鳴き声をあげる点も珍しく、今回新種と見極められたのはそれが決め手だったという。
そのカエルについて、サイエンス系オンライン誌に発表したのはニュージャージー州にあるラトガース大学を拠点とし、エール大学やカリフォルニア、ニューヨーク、ルイジアナ各州立大学で両生類および爬虫類の生態を研究している専門家や、ニュージャージー州の環境保護局職員らで結成された共同研究チーム。生息分布図を作成して2年目の快挙であったといい、メンバーは「ニュージャージー州は貴重な湿地を大切にし、自然環境を守ろうという意識が非常に高い。自然破壊が進む中でこの発見はとても嬉しいサプライズでした」と語るなど、地域の人々の努力を大きく称えている。
かつては北米で最大の個体数を誇ったヒョウガエル。植物に紛れるとまるで目立たない体色が特徴で小川、池や沼の近くから山岳地方に至ってもその姿が見られたが、環境汚染、森林破壊、酸性雨、紫外線の影響、そして地球温暖化により病原菌への感染が増え、1970年代以降急激に減少した。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)