アメリカでは人気の犬種だが、攻撃的で気性が荒いことで知られているピットブル。このほどその4頭が隣の家のビーグル犬を攻撃し、死なせてしまった。このアクシデントは想像通り訴訟に発展したが、なんと訴えたのはピットブルの飼い主であった。いったいなぜ…!?
テキサス州ガルベストン郡のテキサスシティで先月27日、4頭のピットブル犬が塀に開いていた穴から隣家の庭に侵入。その家で飼われている10歳のビーグル犬の“ベイリー”を攻撃し、死なせてしまった。しかし悲しみにくれるビーグル犬の飼い主、スティーヴ・ベイカーさん夫妻は地方裁判所からある訴状が届いて驚く。なんと憎きピットブルの飼い主である隣人、エメラルド・ホワイトさんから1ミリオンドルの損害賠償を求めたいとして訴えられていたのである。
「娘2人が赤ちゃんだった頃から、ベイリーはよき遊び相手として私たち家族といつも一緒でした。友人は皆、愛犬をこんな悲惨な形でうしなったのだからホワイトさんを訴えるべきだと言うのです。でも私たちがそれをしなかったのは、裁判に勝ったところで愛するベイリーは帰ってこないからです」と語るベイカーさん夫妻(画像はgalvestondailynews.comのスクリーンショット)。過去の事故例をみても、彼らは間違いなく被告ではなく原告となるべき立場である。
裁判所に提出された文書では、ホワイトさんが夫妻を訴えた理由は「このたびの双方の犬による乱闘に割って入ろうとして、何針も縫う大怪我を負った。恐怖から手足の震えが止まらなくなっている。両家の庭を隔てる塀に穴が開いていたというのに、“ベイリー”の安全確保を怠り、庭に放していたことの責任は重い」となっているという。しかしベイカーさんは、隣家のピットブルから家族を守りたいとして最近ホワイトさんに「穴が開かないような頑丈な素材で塀を作り直しましょう」と相談を持ち掛けており、その返事待ちという状況の中で今回のアクシデントは起きていた。このあたりも裁判の争点となることは必至であろう。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)