アイドルの橋本環奈が、レギュラーを務める福岡ローカルのバラエティ番組で鹿児島のラ・サール高校を特集した。彼女はロケで学生食堂や男子寮を訪れ「寮の部屋に入るのは初めて」と不安そうだったが、やがて生徒たちの勉強方法や体育祭の熱い姿に感動することとなる。
お笑いコンビ・ピースの2人とアイドルグループ「Rev. from DVL」の橋本環奈がMCを務めるRKB毎日放送『みんなの青春のぞき見TV TEEN!TEEN!』が、11月3日の放送で名門進学校として知られる鹿児島のラ・サール高校を取り上げた。
ラ・サールは中高一貫教育の男子校で、生徒数は合わせて約1200人。鹿児島出身が約40%、福岡出身が約20%、東京出身も約5%いる。最近の実績は、東大合格者が2年連続で約40名、2013年の国公立医学部合格者は98名に上る。
3人が街中から歩きながら同校を訪れ、学生食堂へ入るまでに多くの生徒たちがワイワイガヤガヤと周りに集まった。ピース・綾部祐二が「正直なところ、ガリ勉で大人しい子どもたちが多いと思ったが、全然違うね」と意外に感じると、橋本環奈も「そう思いました~」と彼らの元気に圧倒されていた。
授業が行われる教室を見ると、10mはありそうな長い黒板があった。先生の話では「50分間の授業で、3往復くらい板書して、説明が終わると問題プリントを6~7枚はやります」とのこと。高校1年生に聞くと「テストは週4回あり、進度が速いのでけっこうきつい」そうだ。
ある生徒は「先生方の教え方が上手く、クオリティーが高い」と信頼しており、英語の授業を見学すると英国人の男性教師が「英語とドラマをミックスして教えている」と寸劇のようなことをやっていた。また、校長がいる建物を訪れると、校長先生がメキシコ生まれの欧米人だったので3人もびっくり。鹿児島にラ・サール校を作ったのは世界で1300校余りの学校を経営するラ・サール修道会で、校長もその会より派遣されている。
生徒のうち、鹿児島出身者は他県の出身者より少ない。そのため、ラ・サール寮では500人以上が寝食をともにしている。寮は最近、建て替えられており、綾部祐二は「デザイナーズマンションと同じ雰囲気」と羨ましそうだった。中学生は8人部屋だが、高校生は個室となる。ある高校生の部屋にお邪魔すると橋本環奈が「私、寮の部屋に入ったのは初めてです」とドキドキしていた。
寮では携帯電話、パソコン、テレビ類は一切禁止されており、電話は廊下に備え付けられた固定電話でかける。仕送りされたお金は事務室が預かり、必要な額を100円単位で申請して引き出す形だ。
また、寮生たちを陰で助ける“母の会”(地元のお母さんが遠方で通うことのできないお母さんに代わり寮生のお世話を手伝うグループ)が週に1回、膨大な量の洗濯物をたたんでくれる。そんな人たちのお陰で寮生も勉強に集中できるのだ。
学校での授業が終わり放課後に寮に戻ると、午後4時30分から7時までは自由時間。その間に申請してお小遣いを引き出す寮生たちは「参考書を買いに行く」、「修学旅行の準備に使う」と話してくれた。お風呂もこの自由時間中に入り5時30分頃がピークとなる。
午後7時30分~10時45分は全員自習室に入り、ラ・サール名物と呼ばれる“義務自習”を行う。ある生徒は「こんなに厳しいとは思わなかったが、これがあるからラ・サール全体のレベルが上がっているのかも」と納得していた。さらに午後11時~0時は自室での“自主自習”となり、夜0時の消灯時間になると強制的に灯りが消される。
翌朝は5時にいたるところから目覚まし時計が鳴り響き、午前7時20分までの自由時間はほとんどの寮生が自習をする。7時20分になると廊下に全員並び、寮の教官から起床点呼が行われ、それから朝食をとって、午前8時15分に登校。寮生は中高で5年間この暮らしを続けるが、高校3年生になると寮を出て周辺のラ・サール生専用下宿へ入る。ある下宿のお母さんが「社会に出た時に社会生活ができるように、人間関係の作り方なんかを教えるようにしてます」と語るように、彼らにとって社会勉強となる1年間なのだ。
それほど勉強漬けのラ・サール生たちが体育祭になると変貌する。髪を染めたり、中にはモヒカン刈りにする者もいるが、体育祭の期間は許されており、先生が生徒の髪を染めて手伝う光景も見られた。体育祭には中高生1200人が参加して紅白に分かれる。
中でも気合が入るのが両軍で300人になる応援団で、本番の20分間に及ぶ応援タイムでアピールするために、バク転などアクロバットを練習するほどだ。本番前に先生から確認のテストがあり、合格しなければ応援に出られない。バク転ができずに涙する生徒もいた。体育祭では川中島や棒倒しなど、世間では危険だからと導入を止める競技も全力で行い、毎日、勉強に明け暮れる生徒たちとは思えない熱気と迫力だ。
橋本環奈は今年から高校生となり、女子校に通っている。今回はラ・サール生の寮生活や体育祭を見て別世界のように思えたのではないか。VTRを見つめる目は感動で潤んでいるようだった。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)