嵐のハワイライブとその後のメンバーの表情を収めたドキュメンタリー番組『嵐 15年目の告白』で、ライブ中に二宮和也が腰を痛めていたことが明かされた。それでもステージをやり遂げた彼は、ライブ後のメンバーとの会話で仕事への心がまえを語る。二宮は、リーダー・大野智のある言葉によってそうした考えを持つようになったという。
アイドルグループ・嵐のリーダー、大野智は「自分はリーダーらしいことはやっていない」と口にする。11月7日放送の『嵐 15年目の告白~LIVE&DOCUMENT~』(NHK総合)では、「影のリーダーは櫻井翔」とも語っている。確かにライブをはじめ、嵐の活動で周囲への配慮やグループの方向性などリーダーシップを発揮するのは櫻井翔や松本潤かもしれない。しかし、リーダーの役割がそれだけではないことが二宮和也の証言で分かった。
嵐デビュー15周年記念ライブ『ARASHI BLAST in Hawaii』が日本時間で9月20、21日に開催された。その1日目のステージが中盤に入った頃、二宮和也が腰を痛めた。バックステージで「左足がしびれる」と訴える彼を心配して、松本潤らメンバーは次の曲でジャンプアップで登場する予定を負担が少ないスライドアップに変更。大歓声の中、メンバーとともに登場した二宮は辛い顔を見せることなく楽曲『Monster』をパフォーマンスした。
2日間のライブを終えて、二宮は腰を痛めながらステージをこなしたことを振り返り、「僕はこの時間にお金を払ってもらっていると思う。その時間を自分たちが預かっている時に、自分の理由でクオリティーを下げることは許されない」と語った。
二宮和也も、初めから仕事に対してそうした心がまえを持っていたわけではない。数年前にそば屋でメンバー5人が話していた時に、大野智が発した言葉が二宮の胸に刺さったという。「2002年か、2003年くらいだね」と松本もその日を覚えていた。
当時、松本と櫻井が「今の状況を打破するには、全部投げ出して下克上を起こすしかない」と熱く語っていたという。すると、いつもは主張しない大野が「今、目の前にあることを頑張れないやつが、何を頑張れるんだ」と反論したのだ。
二宮はその時の大野を思い出すように、「それが凄く強い言葉で、俺の仕事の根底はそこになった」と明かした。そして彼は“今、目の前にあるものをちゃんとやろう”そう思って、ステージに立ち続ける。大野智は自分の言葉がメンバーにそのような影響を与えているとは思っていない。しかし、グループの理念を示すリーダーとしての役割を見事に果たしているではないか。
ところが、そんな大野智からも「2006年くらいから正直辞めようと思った」と告白があった。海外を放浪したい、とにかく自由になりたいという思いが募り、「この気持ちのまま、一緒にはいれないな」と悩み続けていた。だが、デビュー10周年を迎えた時に「尋常じゃないほど祝ってもらい、そこで我に返った」という。
衝撃のカミングアウトに、メンバーも「2006年にあなたが抜けていたら、今の感じはないでしょう」、「1人欠けたら、もうなんか違うね。良かったよ、辞めないでいてくれて」とショックを隠せない。大野は「俺、初めてしゃべったよ」ともやもやを明かしてホッとしていた。
相葉雅紀は2002年19歳の時に、DVDのためにサックスの練習を頑張りすぎて肺に穴が開く肺気胸で入院した。彼も当時のことを「俺、復帰できない。もう終わりだと思った」と告白している。この15年、メンバーそれぞれがいろいろな思いを胸にしまいながら過ごしてきたのだ。
その相葉が「ゆっくりでも、遠回りしても、止まらないように、5人で歩いていけたら嬉しいね。なんか今は、遠回りしてもいいかもしんないね」と語れば、「いいね」と松本。彼が「次の一手ですな」とこれからに目を向けると、二宮も「いいですな、次の一手!」と笑顔で答え、櫻井が「この後、5人でご飯だけど、次の話でもしてみますかね」と提案した。15周年を迎えた嵐だが、落ち着くどころかさらに飛躍してくれそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)