日本のファストフード店では、注文した人が番号札を受け取って待つシステムを採用している場合がほとんどだが、海外では店員がレシートに顧客のファーストネームや特徴を記入しておくという店がある。そのため、こんなトラブルに発展することもあるようだ。
シンガポールのピザハット「Pizza Hut Delivery Outlets Bukit Merah」では、注文した客の特徴をレシートに簡単に控えておくことにより、受け渡しのミスを防いでいるもよう。店が混雑してくればくるほど、その特徴はさらに事細かにならざるを得ないのかもしれない。しかしこれはちょっと行き過ぎか…。
「Pink Fat Lady (ピンクの服を着た太った女性)」
この画像はフィリピンのメディア、『philippinesdaily.org』が伝えているその記事のスクリーンショット。今月12日付のレシートの下の方には、調理場から上がった品をどの客に渡すべきか簡単なメモが添えられていた。だがこのレシートは商品とともにAli Siさんというその女性客の手に渡ってしまった。Siさんは激しい怒りをSNSにこうぶつけている。
「ブキット・メラのピザハットで2枚のピザを買ったの。店はどのお客に対しても同等の敬意を払うべきだわ。太っていて何が悪いの? 私だってちゃんとピザの料金を払っているのに、なんという屈辱的で失礼な仕打ちかしら。ピザハットとその店員には深く反省してほしいわ。」
その情報は間もなくピザハット本部にも入ったもよう。さっそくSiさんに、「今回のことは心から申し訳なく思っております。私たちは今回の件につき早速店舗に事実を確認し、ほかにも同様のケースがなかったか詳しく調査していくつもりです。Siさんときちんとお話ができるよう、メッセージ欄から電話番号を教えてくださると助かります」と謝罪のコメントを書き込んだ。
その後のSiさんは「ピザハットはきちんと謝罪をしてくれたから、もう和解ね。解決のために本当に一生懸命だったその姿勢には感謝しているの。私を励ましてくれた皆さん、接客業としての貴重な意見を寄せてくれた皆さん、本当にありがとう。ただ肥満の悩みは本当に深くてつらいものだということを、多くの方が理解してくれる世の中になると嬉しいわ」としめくくっている。
顧客が和解という言葉を使用してくれたことで、ピザハットもほっとしているに違いない。サービス業においては、クレームやトラブルが起きた時に店側が見せる姿勢は非常に重要である。心からのお詫びと誠意ある対応がもとで、両者の関係がそれまで以上に良いものになる可能性を秘めているのだ。このたびのケースはその典型例といえるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)