ここ2日ほど、宇宙に関するビッグニュースとして、“今年最も強いXレベルの太陽フレアが発生”という話題を世界のメディアが報じている。当然ながら太陽嵐と呼ばれる衝撃波が発生したが、どうやら今週末に地球に届く可能性があるもようだ。
最近、太陽の表面でM5と中規模(A→B→C→M→Xの順で上がる)レベルのフレアが発生していたことを今月3日にお伝えした。念のため、太陽嵐~太陽風となって何日か遅れて地球に到来する衝撃波に備えようという内容であった。その際、太陽にはさらに大きなフレアを起こすエネルギーがまだあると指摘する専門家は多かったが、どうやらその通りであった。米航空宇宙局(NASA)が現地時間の10日午後(日本時間9月11日未明)に、太陽面でX1.6レベルの太陽フレアが発生したことを発表したのだ。
今年6月にやはりXレベルの太陽フレアが発生し、太陽嵐が地球をかすめ去って行ったが、今回のフレアは地球に対してほぼ正面で発生したとのこと。太陽嵐がまともに地球に到来する可能性が懸念され、NASAはそれを現地時間の12日午後(日本時間13日未明)であろうと予測した。影響が出るとすれば、気づきやすいところではオーロラの出現や地震活動の活発化が、そして気づきにくいところではフライト中の飛行機が浴びる数千マイクロシーベルトもの放射線、各種衛星や電子機器に不具合が発生する可能性がある。
もっとも今回のX1.6レベルがもたらす太陽嵐について、世界の科学者らは「去年の夏に地球をかすめ去った過去最高規模の太陽嵐に比べれば、大して心配する必要はない」と評価しており、ひと安心といった感じも。観測史上最大の太陽フレアは2003年11月に発生したX28レベル。「アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration)」の専門家は、「太陽の活動はかつてよりおとなしくなっているが、2015年には今年以上のフレアが発生するであろう」と話している。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)