乳がんで乳房を切除したネルソン・マンデラ元大統領の孫、ゾレカ・マンデラさん(Zoleka Mandela、34)。彼女が9月15日に、SNSにて再建術を受けた胸の写真を投稿した。昨年、ゾレカさんは出版した自伝でがんと闘っていることを公表していたが、ドラッグとアルコールに溺れ、2人の子供を亡くした上に、若くして乳がんと闘った彼女の人生は波乱に満ちていた。
ゾレカ・マンデラさんが生まれたのは1980年4月9日、当時20歳だった母はアパルトヘイトに対抗する武装派に属していた。ゾレカさんが1歳のとき、祖母のウィニーさんはマンデラ元大統領が収監されていたロベン島にこっそりゾレカさんを連れて行き、初めて対面した。小学校に上がると、祖母を助けるため学校のカバンに手榴弾を隠していたこともあったという。
思春期になると、ゾレカさんはアルコールやドラッグに手を出してしまう。自伝によると、ドラッグをブラジャーの中に隠し、マリファナを吸い、アルコールを浴びるように飲み、毎日コカインを吸引するという日々であった。ドラッグの使用量が増えるとともに、自傷行為も増えていったそうだ。
2010年6月、ゾレカさんは自殺未遂を図り入院する。娘のゼナニさん(13)が南アフリカで開催されていたワールドカップのスタジアムに向かう途中、交通事故で死亡したショックからだった。「ゼナニが亡くなる10日前から彼女とは会っていなかった。娘といることよりドラッグを選んだから。これは私が一生背負っていかなければならない罪だ」と述べている。さらに2011年、未熟児で産まれた子供も亡くし、今は10歳の息子しかいない。
2年前に乳がん発見により、乳房切除と化学療法を行ったことについては「子供との繋がりでもある乳房を失うのが一番つらかった」とゾレカさんは振り返る。化学療法を2013年に終了、現在キャンサーフリーとなったゾレカさんは、再建術で乳房を得て今後は乳首の手術を受ける予定だ。「早期発見が私の命を救った。がんと闘っている人の力になることが、これからの私の生き甲斐になる」と語っている。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)