「ロシアはウクライナやアメリカからの政治的干渉だけでなく、UFOや地球外生命体による侵略の危機にさらされている」。現在のロシアにとって何かの風刺か皮肉のような主張であるが、実はこれ、ロシアの軍事専門家Juri Podgornych氏とWassili Dolgow氏が『WPK』紙に寄稿した、れっきとした学術論文に書かれている内容なのだ。
『The Voice of Russia』のドイツ語版が5日付で報じた内容によると、Juri Podgornych氏とWassili Dolgow氏はこの論文でロシアに影響を及ぼす可能性のある脅威について、北大西洋条約機構(NATO)の旧東側諸国への拡大、核兵器、環境問題、サイバー攻撃など18項目に分けた説明をしている。
だが、こうした真っ当な内容の最後、18番目の脅威として『地球外生命体による攻撃の危機』に関する説明が登場する。それによると、地球外からの侵略行為は一見何の関連もないところから始まるが、やがて地球には数えきれないほどの侵入者やUFOで埋め尽くされることになり、UFOは空からだけでなく海や地下などからもやって来るだろうというのだ。
“肝心のUFOはどこからやって来るのか”、“その目的”、“UFOに乗っている地球外生命体は我々にとって味方なのか、それとも敵なのか”といったことは、各国で研究されているものの未だ不明であるというが、両氏はUFO及びそれを操る宇宙人によって人類はやけど、失明、麻痺、記憶喪失、放射線障害などの被害に遭い、また宇宙人による実験のための誘拐が頻発するだろうとしている。さらに論文の結びでは、このような状況下においてテロ行為や、宗教的あるいはイデオロギー的な価値を守る行為は全く無意味なものであるとも主張している。
とても学術論文として書かれたとは思えない内容であるが、掲載された『WPK』紙は著名な学者や専門家が寄稿し、軍隊や軍事産業における問題点などに対する論争が厳しく展開されるほどの硬派な新聞である。それだけに今回の論文内容には驚きの声があがっているが、同紙では反論が掲載されることも多々あるため、今後は何らかの議論が巻き起こるのではないかとも見られている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)