米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】ユナイテッド航空に「人でなし!」の声。バードストライク防止策で鳥を次々と毒殺。(テキサス州)

米テキサス州ヒューストン郊外にある、“ブッシュ空港”こと「ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル・ヒューストン空港」の付近一帯で先週末、毒の入った餌を食べた鳥が大量に死んでいることが確認された。この毒、実は…!?

米テキサス州では「ダラス・フォートワース国際空港」が有名だが、世界で14位、全米では9位という旅客扱い高を誇るのが同州の「ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル・ヒューストン空港(George Bush Intercontinental Airport Houston)」。ヒューストンから約30kmの距離にあり、5つのターミナルを持つ大規模なこの国際空港が今、騒がしいことになっている。12日朝と13日朝、何百羽もの鳥の死骸が空港付近一帯の地面や建物の屋根に散乱していたのだ。

空港の駐車場で働くベトリス・マイルスさんは、カラスやハトが死ぬ直前の様子についてヒューストンのメディア『KHOU.com』の取材に、「動作が遅く、まるでお酒に酔ってめまいを起こしているように見えた。そのうちに地面に倒れ、しばらく苦しそうにのたうち回って、痙攣を続けた後に動かなくなった」と話している。その後に鳥の死骸からは毒物が検出されたが、これは空港管理会社およびここをハブ空港としているユナイテッド航空が害虫駆除業者に依頼して散布してもらった、トウモロコシ粒状の毒入りの餌“Avitrol”であったことも明らかにされた。

米国人ならずとも多くの人の記憶にあるのが、2009年1月にNYマンハッタン付近のハドソン川に不時着水した、「ハドソン川の奇跡」と呼ばれるUSエアウェイズ1549便の事故。NYラガーディア空港を離陸直後に両エンジンにバードストライクが発生という極めて稀なケースである。空港付近に多くの渡り鳥が存在することの危険性を人々は改めて認識したが、米動物愛護協会(Humane Society of the United States)は「鳥によっては1時間もの苦しみを経て死んでいることが分かった。バードストライクを恐れるあまり鳥を害虫扱いし、先に殺してしまおうという考えには大反対だ」とさっそく抗議活動を始めている。

連邦航空局、米国魚類野生生物局、農務省承認のもとで販売されている“Avitrol”だが、サンフランシスコ、コロラド州ボルダー、ニューヨーク州ほかでは、自然保護の観点および知らない人が誤って食べる危険性から使用が禁じられている。

※ 画像はKHOU.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)