米テキサス州中央部で、このほど野生のスカンクが凶暴化していることが発覚し、調べたところ「狂犬病」の発生が確認された。『ヒューストン・クロニクル』紙が報じているところによれば、州保健当局は広範囲における予防ワクチンの空中散布を決定したもようだ。
日本では、犬へのワクチン接種の徹底によりまず聞かれなくなった「狂犬病」という病気。感染した動物は興奮あるいは凶暴化して周囲をよく咬むため、犬に限らず全ての哺乳類が罹患する可能性を持っており、人間の場合でも感染すれば強い神経症状が現れほぼ死に至るという恐ろしい病気である。
その狂犬病がこのほど米テキサス州に棲息するスカンクから確認され、人々は警戒を強めている。スカンクはネズミなどの小型哺乳類を食し、そもそも性格は凶暴。アメリカでは人間に狂犬病がアウトブレイクする場合、多くはスカンクが媒介だと言われてきた。狂犬病に感染したスカンクは家畜を含むあらゆる動物を攻撃するためである。
これを受けてテキサス州保健当局はオースティン、ヒューストンといった大都市を含む17の郡を対象に、狂犬病予防ワクチンV-RGを混ぜてピンポン玉程度の大きさにした魚肉由来の餌を、双発機により大量に空中散布すると決定。スカンクばかりかキツネ、イヌ、コヨーテ、コウモリなど多くの動物がそれを食べることにより、狂犬病の蔓延を防止したいとしている。仮に人間にぶつかっても衝撃はほとんどなく、犬や猫などペットが摂取しても安全。特殊なにおいを発していること、そして表面に警告が書かれていることから、「これを食べようとする人はいないであろう」と専門家は説明している。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)