8月下旬の開港を控えている中国のある空港が今、「オーバーランなど決して許されない、あまりにもスリリングな天空のエアポート」として話題を呼んでいる。
経験を重ねたパイロットでも離着陸にはかなりの緊張感を強いられる、超危険でスリリングな滑走路を持つ空港が世界にはいくつかある。イギリス領ジブラルタルの鋭くとがった巨大な岩山“ザ・ロック”の麓にある「ジブラルタル空港」、ポルトガル領マデイラ島の山に囲まれ非常に滑走路が短い「マデイラ空港」、そしてなんといっても、オランダ自治領セント・マーチン島のリゾートビーチをかすめるかのように超低空で離着陸する「プリンセス・ジュリアナ国際空港」が有名であろう。
だが8月下旬に中国で開港するこの空港も、中国のエアラインをはじめ、ここに飛ぶことを予定しているすべてのパイロットの手のひらに汗を握らせてしまうに違いない。決してオーバーランなど許されないこの形状。中国・広西チワン族自治区の河池市にある山の頂を、爆破により平らにして建設された“Hechi Jinchengjiang Airport”である。
空港管理会社の広報担当者によれば、周りの60を超す山が同様に山頂を削られたといい、2001年に計画が始まり総工費は147億円。滑走路は長さ約2,150メートルで幅は45メートルと小規模のため、航空母艦さながらの離着陸の技術が必要になるという。5年前からその安全性を確かめる試験飛行が行われており、「大丈夫」と運輸当局からお墨付きも得ているとのこと。この写真(画像はtelegraph.co.ukのスクリーンショット)を見る限り、周りを雲海が囲んでいる。空中で途中降機でもしたかのような、ちょっと不思議な気分が味わえるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)