アメリカにも向学心が強いものの金銭的な問題から大学進学を断念せざるを得ない若者はごまんといる。米コーヒーチェーンの「スターバックス」が、アリゾナ州立大と手を組んでそんな彼らに救いの手を差し伸べようとしていることが分かった。
真剣に学び、働く若者に大学進学のチャンスをとして、米コーヒーチェーンの「スターバックス」がこのほど奨学生制度を開始すると発表した。家庭環境が貧しくとも、同チェーンの店舗で真面目に働いてくれるのであれば学費の大部分を代わりに支払ってくれるというのだ。
基本的に店舗での労働は週あたり最低20時間。5日間働く場合は毎回4時間の勤務になる。大学生活の最初の2年間は授業料の一定割合を「スターバックス」側で負担してくれるが、勉学の姿勢や勤務態度が良好であれば、後半の2年間は全額を負担してくれるそうだ。同チェーンのそんなコンセプトに賛同し、提携を申し出たのはアリゾナ州立大学(ASU)。履修はオンラインクラスに限られるが、ビジネス、工学、教育、経営学など40もの科目が提供されており、必要な単位を取得すれば4年制大学卒業としての学位が授与される。履修科目の数次第だが、1年あたりの学費が100万円を超える生徒も少なくないそうだ。
ちなみに卒業後に「スターバックス」の社員になる必要はナシ。同チェーンのハワード・シュルツ会長は、「今の米国は不平等さが顕著な社会構造。学費ローンが焦げ付いてしまっている若者が50%とも聞きます。懸命に働きながら、学業とプライベートライフも充実した大学生活を送って欲しいものです」とコメントし、勤勉な学生を純粋に救いたいとしている。オバマ大統領もこの問題には強い関心を示しており、「返済能力は毎月の収入の10%程度までと考え、安易な借金は避けるべきだ」と述べたばかりである。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)