米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】SNSで“頭痛”という言葉に触れただけで。偏頭痛には心因性の痛みも多々と米研究チーム。

このほど米ミシガン大学のある博士が、“頭痛は仲間うちでどんどんうつって行く。誰かが頭が痛いと訴えるといつの間にか自分まで痛くなる、心因性のものも多い”との調査結果を発表し、話題を呼んでいる。

誰かがTwitterで「今日は頭がズキン、ズキンするんだよね」とつぶやく。それを見ているうちに、自分のこめかみも痛くなってきた。このズキン、ズキンはひょっとしたら人にうつるものなのか。答えは「イエス」。痛みの原因には器質的な問題によるものばかりか心理的なものもあり、偏頭痛の場合はカタルシスの法則、つまり感情移入による“痛みの心理の伝染”が度々起きているということが分かったそうだ。

これを研究したのは米ミシガン大学・大学院歯学研究科のアレクサンドル・ダシルヴァ博士。50名の学生を従えるその研究チームが調査に利用したのはTwitterであった。欧米人による21,741という膨大な数のツイートを調べ、“Migraine(偏頭痛)”という言葉が登場する頻度と、それが他に与える影響を確認した。すると、欧米で差はあるものの月曜日の午後2時頃、平日の午前9時、そして午後8時に偏頭痛を訴えるつぶやきがピークに達することが判明。またそうしたつぶやきの74%が女性ユーザーによるもので、“偏頭痛”という言葉の出現をきっかけにツイートのムードはその後どんどん悪い方向に転じていくことも分かったそうだ。

ダシルヴァ博士はこの度の調査結果を『Journal of Medical Internet Research』に発表しており、「SNSには感情移入がつきものです。“偏頭痛”という言葉に触れるとつい共感してしまうのでしょう。こうした現象は偏頭痛の研究における大変ユニークな情報と言えそうです」とまとめている。器質的な問題がないのに痛みを感じるという現象は、「心因性腰痛」や切断したはずの足が痛む「幻肢痛」が有名。どうせまた痛む、慢性的に痛い、辛いといった不安や恐怖でヒトは本当に痛みを感じることが広く認められている。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)