EU発!Breaking News

writer : shiina

【EU発!Breaking News】持ち家を売春宿として貸し出していた“ユダヤ教教師”、資格を剥奪される。(独)

ドイツ南西部バーデン=バーデンでユダヤ教の宗教教師として働いていた男性が、市内に所有するアパートの何室かを売春宿として提供していたことが発覚。これにより宗教教師としての職を剥奪されることとなった。

ドイツのメディア『Focus Online』によると、バーデン=バーデンで長年ユダヤ教の宗教教師として働き、またバーデン地方のユダヤ教協会で会長も務めていたこの男性は不動産業にも携わっており、2006年にアパートを購入。そのうちの2部屋を、売春婦が仕事することを承知の上で6年間貸し出していた。

だが昨年、バーデン=バーデンのユダヤ教文化協会で脱税容疑がかけられた。この捜査が行われたことが原因となり、“売春宿”の存在が明らかとなった。

ドイツでは運営に関する細かな規則はあるものの、売春は基本的に合法とされている。また男性自身は売春宿の運営に携わっていたわけではない。しかし男性が当時所属し、しかも協会長を務めていた彼のこの行動は教師として手本となるものではないとし、ユダヤ教協会は男性の即時解雇を求める裁判を起こしていた。

これを受け、今月14日にカールスルーエの労働裁判所で行われた裁判において「男性の行いは、雇用主であるユダヤ教協会が求める宗教教師としての態度に違反するものである」とし、協会側の即時解雇の要求こそ否決されたものの、“解雇予告”の形をとることで男性の解雇を認めるという判決が言い渡された。

男性は、解雇が言い渡された昨年7月の時点では既に売春宿の運営は終了していたなどの理由から、この解雇は不当であるとし控訴の構えを見せている。またこの件に別方面から関わっているユダヤ教の生活裁判においても、未だに判決が出ないままであるという。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)