“エンケン”こと俳優の遠藤憲一が登場するピザーラの新CMがおもしろい。ピザーラのライバル“ピザブラック”の社長をエンケンが熱演しているのだが、彼が20年前に演じた“貴公子ジュニア”の復活かと思われる悪役ぶりが秀逸だ。エンケン自身は撮影を終えて「難しい」と感想を語っているが、実は楽しんでいるようにさえ映る。それでいて、ピザーラを批判する逆説的なCMを通して、しっかりそのこだわりをアピールしているのはさすがだ。
株式会社フォーシーズによるピザーラの新CMが3月21日から放映されているが“ピザーラのライバル、ピザブラック”が登場する思いきった内容となっている。そして、ピザブラックの社長ZENIZO KURODA役に“エンケン”遠藤憲一を起用したことでその設定が見事に生かされた。
ピザーラは厳選された素材と手間を惜しまぬこだわりこそが美味しさの秘密だが、今回のCMではピザブラックの社長の「おいしさにこだわらず、利益追求に走る」架空のピザ店をクローズアップして、「打倒ピザーラ」を高らかに宣言する。
ピザーラのこだわりとされる「軽井沢の名店、浅野屋が作った生地を各店舗で伸ばしている」「アボカドをいちいち包丁で切っている」などを「めんどくさいな~!」と嫌味を言う社長ZENIZO KURODA。演じたエンケンは撮影後に「褒めるCMがほとんどなのに、けなすCMで難しい」とこぼしていた。
彼が「コレはピザーラのCMです。ピザーラは手作業で美味しいものを作っています」とコメントでも訴えた通り、CMでは逆説的に“ピザーラは、厳選された素材と手間暇かけた美味しさが人気の秘密”という主張が伝わってくる。これもエンケンの熱演があってこそだろう。
今やすっかり個性派俳優として地位を確立した遠藤憲一。最近ではドラマ『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』や映画『劇場版 SPEC~結~』に『土竜の唄』などでますます存在感を出している。
そんな彼が1994年に放送された『忍者戦隊カクレンジャー』で悪の親玉・妖怪大魔王の息子“貴公子ジュニア”の役で活躍していたのが懐かしい。エレキギターを武器に持ち、ヘヴィメタル風の奇声をあげて術を繰り出すという後にも先にも無い個性的なキャラクターだった。
その頃からおよそ20年を経ながら、彼が新CMで演じたピザブラックの社長の弾けた悪役振りは“貴公子ジュニア”を凌ぐほどだ。特に『ピザブラック社歌』に乗って笑顔で踊る姿はエンケンならではの迫力がある。最後にはサプライズも仕込まれた凝った仕上がりとなっており、見ておきたい動画だ。
特設サイト「宅配ピザのピザブラック」(http://pizza-black.com/)では新CMやピザブラックの社歌をはじめ、社長あいさつ、謎に包まれた社長のプロフィールなども公開されている。
※画像はYouTubeのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)