エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】ウーマン・村本の、“漫才愛”がスゴすぎる。「忙しすぎて、ネタを考える時間が無い」と苦悩。

『M-1グランプリ』や『THE MANZAI』といった漫才コンテストでチャンピオンに輝き、その後は活動の軸足をテレビのバラエティ番組に移し、舞台で漫才をほとんど披露しなくなるコンビは多い。「THE MANZAI 2013」チャンピオンになったウーマンラッシュアワー・村本大輔はこれから、テレビ出演と漫才師としての舞台どちらを中心に頑張って行くべきなのか―頭を悩ませている。

昨年12月「THE MANZAI 2013」チャンピオンになったウーマンラッシュアワーを待ち受けていたのは、数々のテレビ番組への出演オファーと雑誌等からの取材要請であった。特にバラエティ番組への出演は膨大な事前アンケートから始まり、打ち合わせ等々収録が終わるまで想像以上に時間を取られる。“自分はたとえ優勝してテレビに出るようになっても、「忙しくて漫才のネタができへん」とは絶対に言わない”と心に決めていた村本。だが現実は新しいネタを1本も考えられないほど、毎日が多忙だ。

そんな村本が出演を楽しみにしていたというのが、3月8日深夜放送の『ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!』(テレビ朝日)。当番組には過去に他のコンビと一緒に出演経験があるが、単独では初めて。何より村本は「第5回M-1グランプリ」(2005年)チャンピオンであるブラックマヨネーズに、今だからこそぜひ聞きたいことがあったのだ。

村本が漫才師として尊敬していたブラックマヨネーズだが、現在の彼らの活動の中心はテレビのバラエティ番組である。あれほど面白い漫才を披露していたのに、なぜやらなくなってしまったのか。漫才を捨ててしまったのか。漫才をやりたくても、テレビとの両立は無理なのか。こうして村本は堰を切ったように、漫才への熱い思いを語り始めた。

「自分の作ったネタがウケて、皆に笑ってもらえる」。これが村本が漫才に生き甲斐を感じ、あらゆる情熱を注いできた理由である。バラエティ番組でウケることも嬉しいが、漫才で観客に笑ってもらえるのとは全然違うという。だが先輩漫才師からは“漫才は休むと作れなくなる”と、厳しいアドバイスがあった。それは今の「THE MANZAI 2013」チャンピオン・バブルが終わりスケジュールに余裕ができる頃に、また漫才を始めようとしても面白いネタは考えられないということだろうか。“漫才か、テレビか”。もちろん決めるのは村本自身だが、ブラックマヨネーズから率直な意見も聞きたかったのだ。

するとブラックマヨネーズは驚く話を始めた。自分たちも昨年末から再び漫才を始めようということになり、年明けからは2人でネタ合わせする時間を設けているそうだ。2005年M-1グランプリ王者となって以来テレビ中心に活躍してきたが、自分たちの土台である漫才が“ぐらついていないか”との思いが2人とも強くなってきたという。テレビの仕事で2階3階と高い建物になっても土台が崩れてしまえば、瞬く間に全壊してしまう。このような危機感に襲われ何とかしなければと行動を起こし始めた矢先に、村本が番組にゲストとして招かれたのだ。

“ブラックマヨネーズは漫才を捨てていなかった”と分かっただけでも、村本はホッとしたに違いない。また吉田敬が金銭面での現実的なアドバイスをした。“テレビに出なければギャラは上がらない”とし、「金、欲しいやろ?」と問われると、長い下積み経験のある村本は否定できなかった。

少なくとも今年前半までは多くのバラエティ番組に、ウーマンラッシュアワーは呼ばれることになるだろう。だが多くのブレイクした芸人が話しているように、全テレビ局の番組を一巡してからが本当の勝負となる。その時村本は漫才の舞台に戻るのか、お声がかかればテレビの仕事を優先させるのか。今年は村本のお笑い芸人としての分岐点となりそうである。
(TechinsightJapan編集部 みやび)