ソチ冬季五輪のアルペンスキーに南国タイから男女2人の選手が出場している。Kanes Sucharitakul選手とVanessa Vanakorn選手だ。特にVanessa Vanakorn(ヴァネッサ・ワナコーン)選手は英国でバイオリニスト・Vanessa Mae(ヴァネッサ・メイ)として活躍していることからも注目されている。シンガポール出身でイギリス国籍の彼女は、実の父がタイ人ということから実父姓のVanakornとしてタイ代表となった。実は日本人の多くが、2006年にアスリートではなくバイオリニストとして彼女が奏でる音楽に接しているのだ。
ヴァネッサ・メイはクラシックとポップスが融合したフュージョンミュージックを取り入れた演奏で定評がある。ミュージックビデオではセクシーな衣装でパフォーマンスして話題となり、あのジャネット・ジャクソンのアルバム『The Velvet Rope』にも参加している。これまでに売り上げたアルバムは1000万枚に及ぶという人気バイオリニストだ。
しかし、日本では彼女の名もまだまだ知られていない。実は、2006年のトリノ五輪・女子フィギュアスケートで荒川静香選手がイナバウアーを見せて金メダルに輝いた時に使った音楽。プッチーニのオペラ「トゥーランドット」の『誰も寝てはならぬ』こそ、ヴァネッサ・メイのアルバム『チャイナ・ガール』の収録曲である。
その時、荒川静香選手の演技とヴァネッサ・メイに世界中が魅了された。中でも日本では荒川選手が金メダルを獲得したニュースでヴァネッサ・メイのバイオリンも流れており、多くの人々が知らないうちに彼女の音楽を耳にしていたのだ。
トリノ五輪では音楽という形で活躍したヴァネッサ・メイが、ソチ五輪ではVanessa Vanakorn選手としてスキーで活躍する。彼女が出場するスキー・アルペン女子大回転は2月18日(火)の11:00(日本時間16:00)から予選、14:30(日本時間19:30)から決勝が行われる予定だ。
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(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)