水谷豊が“俳優業”について熱く語った。仲の良い「とんねるず」の石橋貴明を相手に、水谷は“仕事におけるスタンス”から“芝居中の心境”まで珍しく詳しく話をしたのだ。
俳優の水谷豊が、2月23日深夜に放送された『リシリな夜』にゲスト出演した。1968年に放送されたドラマ『バンパイヤ』で初主演を果たした水谷だが、実はその後の数年間は俳優業をやめていたそう。しかし「大学受験の失敗」と「父親の勤め先の会社が倒産」という不運が重なってしまい、自分でアルバイトをして生計を立てようと思っていた水谷のもとにたまたま(親交のあった)プロデューサーから「こういう役があるけど、やらないか」とのオファーがあった。「バイトするなら、これまで経験した世界でやった方がいい」と思った水谷はこれを快諾し、再び俳優業を始めるようになる。それがきっかけで俳優として現在も活動を続けていることから、水谷は「今でも『俳優はバイトです』って言うんですよ」と笑みを浮かべながら、番組MCの石橋貴明に話した。
『傷だらけの天使』『熱中時代』『相棒』といった数多くの大ヒットドラマに出演し長きに渡り活躍をしている水谷だが、俳優としてずっと大切にしていることがあるという。それは“常に「これが最後になってもいい」との気持ちで撮影に臨む”ということで、自らが出演する作品全てをいつも全力投球でやってきて今があると水谷は謙虚に語った。さらに、水谷は芝居をしている時に感じることについても言及した。ドラマや映画には脚本があるため「その人(共演者)がどう脚本を読んだか、どういう気持ちでそれを捉えたかが芝居を通して見えてくる」として、それゆえに「(普段の会話よりも)芝居してる時の方がその人(共演者)のことが分かる」と水谷は言う。この重みのある言葉に石橋も「へぇ~」と感心しきりだった。
笑福亭鶴瓶が多彩なゲストと即興ドラマを演じるバラエティ番組『鶴瓶のスジナシ』。その番組の中で鶴瓶は「『スジナシ』では(即興の芝居を通して)その人(ゲスト)の素が出る」と常々口にしている。俳優として着実にキャリアを重ねながらも常に「俳優はバイト」との謙虚な気持ちを持ち続け、水谷はどの作品にも力を注いできた。そんな水谷だからこそ(『スジナシ』での鶴瓶と同じように)芝居を通して“共演者とのコミュニケーション”を取ることができるのだろう。
(TechinsightJapan編集部 TORA)