銃規制の強化を求める声が急増するアメリカにおいて、その実現を困難にさせているのは「銃の所持は憲法でも認められている。銃を持った悪党から我が身を守るには銃しかない」という考え方である。この実態について英メディアが動画で紹介したワシントン州のある家庭の様子をめぐり、波紋が広がっている。
13人が死亡した1999年4月の米コロラド州コロンバイン高校銃乱射事件。70名の死傷者を出した2012年7月のコロラド州『バットマン/ダークナイト ライジング』プレミア銃乱射事件。そして児童ら26人が死亡した2012年12月のコネチカット州サンディフック小学校銃乱射事件。オバマ大統領はこのほど改めて銃規制の強化を訴えたが、今月13日にはコロラド州のアラパホー高校でも銃乱射事件が起きていた。
事件といえば銃がからみ、銃乱射事件も依然として無くならないアメリカ。一般市民の銃保有率は世界一と言われるこの国においては、かねてから多くの人々が銃を持つことの危険性を理解しているものの、すでに所持している銃の放棄については消極的で、大きな事件が起きる度に新たに銃を購入しようとする市民が一時的に増えてしまうのが現状である。
こちら(上の画像はそのスクリーンショット)は先月20日に英メディア「Barcroft TV」がYouTubeで紹介した、“Kids With Guns: Family Defend Their Right To Bear Arms”というタイトルの動画である。ワシントン州でトラック運転手をしているトレヴェス・エヴァンスさん(37)の家庭には、護身用にとピストルからライフルまで15丁もの銃が存在し、彼は6歳から14歳までの幼い子ども1人ひとりに自分の銃を持たせ、その手入れや撃ち方を真剣に指導しているのであった。
自分たちの安全を守るのは銃で、バッドガイは撃たれても自業自得だと叩きこまれているこの子たち。年長の子は「責任感」という言葉も口にする。しかし世界では幼児による銃の暴発事件が度々起きている。万が一にも丸腰の人間を誤って撃ち殺してしまったらどうなるのか、子どもたちはきちんとそこまで把握しているのであろうか。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)