不妊治療が盛んになっている現代、多胎児妊娠という現象は決して珍しいことではない。だが今回のケースは極めて稀。米カリフォルニア州在住の女性が自然妊娠で一卵性の三つ子を宿し、すべての赤ちゃんが無事に誕生したのである。
先月22日、カリフォルニア州北部のブラマス郡クインシーに暮らすトム&ハンナ・ヘプナーさん夫妻に、一卵性の三つ子が無事に誕生。あまりにも珍しいケースだとして、世界中の周産期医学に携わる人々が注目している。
ハンナさんの妊娠から出産までを見守ったのは、サクラメントにある「サッター・メモリアル病院」。地元メディア『The Sacramento Bee』の取材に、「Sutter Women’s Services」のウィリアム・ギルバート博士は「不妊治療をしていないアメリカの女性が、このような三つ子を妊娠して無事に出産する確率は100万~1億分の1です」と説明。数字に開きがあるのは、あまりにも稀なために統計をとること自体が困難だからだと話す。
三つ子の妊娠は、一般的には「二卵性の三つ子」が多いと言われる。1つの卵子が2つに分裂したいわゆる一卵性双生児として2人、そしてもう1つの卵子で1人(単胎)という構成だ。また不妊治療による排卵誘発剤の使用で「三卵性の三つ子」も当然いる。ところが今回のケースは1つの卵子が3つに分裂した、つまり一卵性の三つ子の妊娠であった。赤ちゃんはアビー、ブリン、ローレルと名付けられ、体重はそれぞれ1,417g、1,673g、1,814gとのこと。体温調節や栄養摂取を管理するため現在は保育器の中で育てられている。
※画像は、「VideoNews101」によるYouTubeのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)