15日、ひとりの女性が新北市警察に夫の家庭内暴力を訴えて保護を求めた。女性は男児を産む産まないで夫と口論になり、首を絞められたという。女性は夫や夫の両親から日常的に男児を産むよう迫られていたと話している。
『蘋果日報』が報じたところでは、女性(33歳)は8年前に資産家一族の長男(現39歳)と結婚し、まもなく長女を出産した。その後夫の両親から男児を産むように催促が始まったが、夫のこどもの扱い方が乱暴なことに不安を覚えた女性は、2人目の妊娠がわかると子宮外妊娠だったと偽り堕胎したそうだ。しかしその後も催促は続き、3年前に次女を出産した。
それでも諦めがつかなかった両親は「男の子が産まれたら祝儀で100万元(約350万円)あげるから」と話し、もう1人産むことを要求。女性が断ると「あなたが産まないなら誰かに産ませなさい」と責め立て、幼い次女に対しては「お前は男の子じゃないんだから、うちに生まれてくるべきじゃなかったんだよ」と暴言を吐くこともあったという。
13日夜、男児の出産について夫婦は再び口論になり、たまらず家を出て行こうとした女性の首を夫は約20秒にわたり絞め続けた。その際に夫は「死にたいんだろう。死ぬ感覚を分からせてやる」と言ったそうだ。女性はかろうじて長女に助けを求め、その後警察へ行き被害を届けた。警察には両家の両親が駆けつけたが、夫の両親は「うちで男を産まないのはタブー」、「大した器量でもないくせに」などと女性を罵った。これが女性の限界だった。2日後の15日、女性は夫を家庭内暴力で訴え保護を求めたということだ。
昨年2012年の台湾の新生児男女比率は1.074(女児100人に対し男児107.4人)で、男女比の差は25年来で最も少なくなった。専門家らは伝統的な男児優先の考え方が変化しているとの見方を示したが、あるところにはまだ女児よりも男児を望む傾向が根強く残っている。
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(TechinsightJapan編集部 片倉愛)