左右それぞれに6本の指を持ち、医学的には先天性の形状異常といわれる「多指症」の男性。現在はインドに暮らしているが、それを武器に前向きな気持ちでイギリスの企業への就職を希望している。
このほど英メディア『Metro News』が、インドに暮らしながらイギリス行きを強く望み、自己アピールを続けている「多指症」の男性を直撃した。
「私は手の指が6本、足の指も6本という珍しい体を持って生まれました。1分につき100語以上を打つ、この速さが私の武器です。イギリスの企業に就職してタイピストとしての道を極めてみたいと思っています。」
そう語るのはインド北部アーグラ在住のVijay Singhさん(48)。多指症では外科手術により1本切除して5本にしてもらう人が多い中、「これでキャリアアップを図れるに違いないので、そうした手術は決して受けません」と意気揚々として話す。そしてVijayさんは、“なぜインドではダメなのか”と疑問を投げかけられると、ちょっとした不満を漏らした。
「インドにて50社を受けましたが、すべて落とされました。12本指があっても“だから何なんだ”って顔をされるだけです。この国では今、美人な女性ばかりが採用されるんですよ。」
インドのいくつかの神様が何本もの腕を持っていることからも分かるように、インドでは多指症の子の誕生は幸運なこととみなされる歴史がある。だが実際のところ、ほとんどの多指症において中には筋肉、腱、神経がうまく機能していない指があることが認められており、Vijayさんのように6本すべてが思い通りに動くという人は極めて珍しいそうだ。キーボードの前に座ったら、そのタイピングの技はマジシャンさながら。画面をあっという間に文字で埋め尽くす自信があるというVijayさんに、イギリスの企業が興味を持ってくれることを願ってやまない。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)