イギリスのスーパーマーケットで販売されていたバナナの袋の中から、南米に生息している世界最強の毒グモが見つかった。バナナが好きだというこの毒グモ。人を死に至らしめるほどの猛毒を持つという。
毒を持たないタランチュラなど可愛いもの。その猛毒は世界一の威力と言われているのが、シボグモ科の「フォニュートリア・ドクシボグモ(英名:Brazillian Wandering Spider)」である。このほど英・大型スーパーマーケットチェーン「Sainsbury’s」の一店舗で販売されていたバナナに、その恐ろしい毒グモがついていたとして人々を震え上がらせている。
「Sainsbury’s」でバナナを買ったのはロンドン在住のコンシ・テイラーさんという29歳の主婦。英大衆紙『Sun』の取材に「最初は表面についたカビかなにかだと思ったんです。ところがテーブルの上を這って床に落ち、カーペットの上をチョロチョロし始めたんです。そこで初めてクモが何匹もいることに気づき、恐ろしさのあまりすくみあがってしまいました」と話している。
すぐに苦情を入れたテイラーさんに、店側は非を詫びて10ポンド(約1570円)の買い物券を渡した。しかしクモの中には毒を持つものもあることから、テイラーさんは念のため写真を撮って害虫駆除業者にも連絡した。すると「これは世界一の猛毒を持つフォニュートリア・ドクシボグモですよ。逃がしたクモがいたか隅々まで確認しますから、ご家族全員で一旦避難して下さい」という驚くべき返事が返って来た。クモの駆除作業の代金およびその期間の家族のホテル宿泊代金は「Sainsbury’s」が負担した。
南米に生息しているというこのドクシボグモ。バナナが大好きであるため「バナナ・スパイダー」の異名を持ち、市街地や民家にも現れるためブラジルでは年間に何百人もの人がこのクモに噛まれて病院へ急行する。その毒液により呼吸困難、神経麻痺症状が現れ、治療には抗血清が必要になり、処置が遅れると死亡する例もあるという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)