街を歩けば美しすぎるオカマに多数出会えるタイ。ニューハーフのパラダイスとなっているが、映画化されて話題になったこともあるこの国の“オカマ・バレーボール選手”はその人口を増やし、いつしか大変な興行収入を上げる人気スポーツとなっていたようだ。
2001年に日本でも公開され、大変な人気となった『アタック・ナンバーハーフ(原題:Satree-Lex)』というタイ発のコメディ映画。LGBT(セクシャル・マイノリティ、性的少数者)の悩みを抱える若者たちが、世間の冷たい目と闘いながらバレーボール大会に出場して優勝するという、笑いあり涙ありのスポ根映画である。それ以来エンターテインメント性も高いタイの“オカマ・バレーボール”は世界的な注目を集め、いつしか選手人口も増え、従業員でチームを結成するオカマ・バーも多々出てきた。1年前からは“彼女”たち専用の水中バレーボール大会が開かれ、その収益により地元のインフラ整備に大きく貢献しているという。
英紙『Daily Mirror』電子版によれば、リゾート地として有名なパタヤにあるホテル「アレカ・ロッジ」でこのほど、今年で2回目という『チャリティ水中バレーボール大会』の総当り戦が盛大に行われた。プールには手脚が長く均整の取れたボディがまぶしい選手たちがタイの各地から集まり、ビキニ姿でバシャバシャと水しぶきを上げながらセクシーにボールを追ったと伝えられている。
そしてこちらの写真が、今年優勝した地元パタヤのオカマ・バー「Sensations bar」のメンバーである。普段は夜の世界で働いている“彼女”たち。ビキニのブラからこぼれ落ちんばかりの豊か過ぎるバストは完全なるシリコン製で、声もキャーキャーという可愛らしいものではないが、プールサイドには200名を超す観客が押し寄せて“彼女”たちのダイナミックなプレーに拍手。最前列からはお店の常連客が大声援を送っていた。
「真剣に勝利にこだわり、熱心に練習する選手が増えてきました」と話すのは、このイベントの企画者であるイギリス人男性トニー・セールスさん。彼は地元紙『Pattaya Mail』にこんな風にコメントしている。
「タイは私にとって第二の故郷のような所です。何年か住むうちに富める人や貧しい人、そして性転換して女性になった“レディボーイ”と呼ばれる人たちとも友達になりました。でもその多くが世間の偏見に苦しんでいることを知り、私の力で少しでも状況を改善して行くことができればとずっと思ってきました。」
連日満員御礼であったというこの『チャリティ水中バレーボール大会』。おかげで314万円ほどの収入を上げ、これによりパタヤの2つの農村には飲料となるクリーンで安全な水道が引かれ、孤児院は壊れていた屋根を修復することになったそうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)