アジア発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【アジア発!Breaking News】22歳男性の額に「鼻」を作った形成外科医、その意図には疑問も。(中国)

こちらの画像はYouTubeからのスクリーンショット。イランのメディアまでが報じた海外ニュースである。先月下旬、とんでもない場所に鼻を持つことになってしまった22歳の男性のニュースが中国から発信されて大変な話題となったが、これに対してロンドンの権威が“なぜ?”と疑問を投げかけていたようだ。

中国福建省の省都・福州市にある「福建省医科大学連合病院(Fujian Medical University Union Hospital)」の外科医、Guo Zhihui博士は9月27日、報道陣を前に誇らしげな笑みを浮かべ、「この患者に新たな鼻を移植する試みはここまで成功しました」と発表した。医師の隣にはその患者だという白いシャツを着た22歳の男性。なんとも立派な鼻を額につけており、自分の顔がビッグニュースとなって巷に流れるとあって、その表情には不安や緊張が強くにじんでいた。

この男性、2012年8月に交通事故で鼻を負傷してそこに感染症が加わり、軟骨組織が蝕まれたため鼻全体がかなり萎縮してしまった。今回の再建術はやはりその美醜を意識してのこと。「事故当時はお金がなくて再建術を受けられなかったというこの男性を、私たちのチームで助けてあげようということになりました」とGuo Zhihui博士は話している。

そして「男性の左の額を利用し、まずはその皮膚組織を3か月ほどかけて出来るだけ伸ばし、本人の肋骨の軟骨組織と幹細胞から作った新しい鼻の骨格をそこに埋め、最後に鼻の穴を形作り、9か月間かけて鼻らしく育てることに成功しました」とプロセスを説明。これまで前腕を利用した経験はあるが、額で育てるというのは初めての試みであったそうだ。

もっとも「The China Post(英文中國郵報)」によれば、こうした移植手術とナノテクノロジー再生医療を専門とするユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのアレクサンダー・セイファリアン医師は、今回のやり方に批判を投げかけている。

「確かに鼻と額の皮膚は組織の構造とキメがほぼ同じです。でも患者の心情を思うと、なぜ直接鼻に移植してあげなかったのか不思議でなりません。」

経過が順調であることから、間もなく本物の鼻と差し替える本格的な移植手術が行われるというが、今の段階でカメラの前に患者を座らせ撮影させたのは確かに酷な話である。再建術が完了した後で、そのいちプロセスとして写真を紹介する程度であっても良かったのかもしれない。気になるのはGuo Zhihui医師の考えだが、「世間の注目欲しさでこの会見を開いたのではありません」と話している。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)