男にとって結婚指輪を失くすということは、妻の恐ろしい形相が浮かぶ、決してあってはならない大失態らしい。誤ってそれをトイレに落としてしまった男性が、是が非でも拾わなければと便器を相手に奮闘した結果、とんでもない事態に陥ってしまった。
中国福建省の泉州市に暮らすチャン(Zhang)さんという男性があまりにも痛ましい。トイレ一体型のバスルームでシャワーを浴びようとして、結婚指輪を外した途端、それはチャリンと音を立てて便器に落ちてしまった。瞬時に妻のものすごい形相とヒステリックな怒鳴り声を思い浮かべたというチャンさんは、すぐさま便器に手を突っ込んだのであった。
ところがどう手探りしても指輪に触れることはなく、チャンさんの肘から下は太いパイプへ。なんと抜けなくなってしまったのだ。「誰か来てくれ~!」という彼の叫び声に気づいたのは職場の同僚。さっそく助けに入り、洗剤を注入してヌルヌルと滑るようにしてみたが、それでも抜けず、うっ血した腕の痛みは強まるばかり。いよいよ事態は深刻となり、同僚は消防局に連絡した。
置いてもらった白いタオルに頭を寝かせ、顔だけはかろうじて便器から背けているが、胸から上は便器にすっぽりと覆いかぶさったままのチャンさん。専門の道具を持ったレスキュー隊が出動して救助作業に当たったが、それでもダメ。彼らはついに水を止めて階下のお宅に事情を話して入り、チャンさん宅のトイレとつながっている下水管をカットした。
そこにはチャンさんの紫がかった右腕がダラン。隊員らはその後、ドリルを用いて天井の管の周囲を慎重に削っていき、最終的には管自体を壊してチャンさんの腕はやっと解放された。残念ながら結婚指輪が見つかったという話はない。このアクシデントでとんでもない損害賠償金を支払わなければならなくなったチャンさんに対し、奥様が「そこまで大変な思いをして…ありがとうアナタ」と優しく微笑んでくれているのであればよいのだが…。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)