エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】脱サラバンド“忘れらんねえよ”人気の秘密。朝のテレビ初登場で明らかに。

話題のスリーピースバンド“忘れらんねえよ”が、朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)で取り上げられた。番組ではメンバーへのインタビューだけでなく、彼らの魅力はどこにあるのかをファンに尋ねている。“平均年齢33歳の脱サラバンド”がなぜ若者に支持されるのか、その理由が見えてきた。

“忘れらんねえよ”は2008年に結成されたスリーピースバンドだ。rockin’onの新人コンテスト“RO69JACK09/10”で入賞するなど活動する中で、2011年4月にはアニメ『逆境無頼カイジ 破戒録篇』のエンディングテーマとして彼らの楽曲『Cから始まるABC』が起用されて話題となった。2012年の3月には1stアルバム『忘れらんねえよ』をリリースしている。

10月16日に出した2ndアルバム『空を見上げても空しかねえよ』からは、収録曲の『夜間飛行』がアニメ『はじめの一歩 Rising』(日本テレビ系)のオープニングテーマをはじめ、多数の番組で使われている。他にも『戦う時はひとりだ』や『戦って勝ってこい』がCMや番組で用いられる人気ぶりだ。10月18日の『めざましテレビ』では“コレぐぅBuzz王”のコーナーで、勢いに乗る“忘れらんねえよ”を特集した。

柴田隆浩(ボーカル、ギター)は、「6年間ずっとサラリーマンをやっていたが、やっぱり忘れられなくて…」と音楽を忘れられずにバンドを結成したいきさつを語る。風変わりなバンド名も、その頃からつけるならば“忘れらんねえよ”にしようとぼんやり考えていたそうだ。

柴田と梅津拓也(ベース)は28歳で脱サラして、営業マンからバンドマンに転進。ドラマーを探していたところに「あるバンドを下手すぎてクビになったドラマーがいる」と紹介されたのが酒田耕慈だった。柴田は「初めて3人で音を出した時に、本当に下手で(演奏が)ドンドン速くなっちゃう。梅津からは『なんでこんな奴連れてきたんだ?』という目で見られるし…」と当時を振り返った。

現在、柴田と梅津は32歳で酒田は34歳となるが、彼らのパフォーマンスに引き付けられるファンには10代も多い。番組で彼らのファンにその魅力を尋ねたところ、16歳の男子高校生は「演奏力はそんなにあるわけではないが、それを補うほどのファンをつかむ熱量がすごい!」と熱く語っていた。27歳の女性会社員は「暑苦しいところが好き」と答えており、19歳のフリーター男性は「ダサいけど、それが逆にカッコいい!」という。

あるライブのステージで柴田はこう語りかけた。「こんなことを言うと『バカじゃねえの?』『できるわけねえよ!』とか言うやつもいる。そんなの知ったことじゃない。俺ら絶対に“大きなステージに立ちます。6万人動員を目指します。その先を目指します!”って言うのをやめないですよ」と観客に告げると、楽曲『バンドワゴン』を歌い出した。「僕らの音楽を見下してきた奴らを、音楽の力で越えたい」という叫びの歌である。

昨年の8月には『SUMMER SONIC 2012』でなぜかエアバンドの世界大会に出場して、初代チャンピオンとなった。表彰式では主催者から「来年は楽器を持ってサマソニに出られるように頑張れ」と励まされている。そして今年の夏にはバンドとして『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013』のステージに立った。“忘れらんねえよ”は着実に大きなステージに向かっているのだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)