10月6日に開催された南相馬市復興市民植樹祭にAKB48のメンバーが参加した。北原里英、梅田彩佳、高城亜樹の3人が地元の関係者や“植樹の神様”と呼ばれる宮脇昭氏の指導のもと、“鎮魂の森”を築くために植樹を行った。また、南相馬ジャスモールの特設ステージでは、AKB48メンバー6人が復興支援の一環として続けているミニライブを開催。あいにくの小雨模様だったが、集まった多くの人々と盛り上がった。
東日本大震災に被災した福島県南相馬市の中でも津波で大きな被害を受けた南右田地区で、南相馬市復興市民植樹祭が行われた。“鎮魂の森”で植樹を行い震災で犠牲となった人々を慰霊するとともに、あの日の教訓や経験を忘れずに継承して津波を緩衝するための防災林を作ることを目的とする。
約3000人もの参加者があり、イベント用のステージにゆるキャラのくまモンやアイドルグループ・AKB48が登場すると温かい拍手で迎えられた。くまモンが女性司会者に耳うちした内容によると、植樹祭に共催する公益財団法人『瓦礫を活かす森の長城プロジェクト』の理事長・細川護熙元首相が元熊本県知事だった縁でくまモンもやって来たそうだ。
AKB48も総合プロデューサーの秋元康が『森の長城プロジェクト』の顧問であり、AKB48グループの『誰かのためにプロジェクト』の活動とも一致することで参加することとなった。植樹祭に参加した北原里英、梅田彩佳、高城亜樹はステージで「みんなの笑顔を見に来たので、いっぱい笑ってたくさん木を植えましょう」、「緑を増やして笑顔を増やしていきたい」とあいさつしている。
今回の植樹祭には、植物生態学者・宮脇昭氏(85歳)も参加しており、AKB48メンバーにも苗木の植え方を教えていた。彼は東北被災地での森づくりに取り組んでおり「様々な種類を植樹する必要がある」など、これまでの体験や研究から本当の森を復活させるために実践的な方法をとっているのだ。今回は主に『森の長城プロジェクト』が用意したタブノキなど16種の苗木を、約2万本植樹した。
この日、AKB48は植樹祭の後に南相馬ジャスモールでミニライブを行った。体調が思わしくない高城亜樹に代わり東北出身の岩田華怜がメンバーに加わって、北原里英、梅田彩佳、岩田華怜、西野未姫、小嶋真子、岡田奈々の6人が特設ステージに立っている。『会いたかった』、『さよならクロール』など数曲をパフォーマンスすると、小雨にもかかわらず会場は集まった子どもたちやサイリウムを振るファンまで大勢の熱気に包まれていた。
植樹祭で植えた苗木は、20年後には高さ10メートル以上の防災林に成長するという。“鎮魂の森”が育つまでにはAKB48も様変わりするかもしれないが、『誰かのためにプロジェクト』は継続して力となってくれることを期待する。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)