アジア発!Breaking News

writer : katakura

【アジア発!Breaking News】中国産上海蟹から有害物質が検出。専門家は「毒を盛られたようなもの」。(台湾)

中華料理の秋の味覚には欠かせない上海蟹。濃厚な蟹味噌が特に人気の食材だが、このたび中国から輸入された上海蟹から有害物質のクロラムフェニコールとカドミウムが検出された。有害物質が検出されたものはすでに処分され、市場には出回っていないということだが、上海蟹を敬遠する消費者も出ている。『蘋果日報』が伝えた。

衛生福利部(日本でいう厚生労働省)が15日に発表したところでは、有害物質が検出されたのは中国湖南省及び江蘇省から輸入された上海蟹、合計2000キログラムあまり。食用動物への使用が禁止されている抗生物質、クロラムフェニコールと基準値以上のカドミウムの残留が認められた。有害物質の残留量はそれぞれ江蘇産のものから0.4ppbのクロラムフェニコール、湖南産のものから0.6ppmのカドミウムが検出されている。また先月末には、湖北省から輸入された約3750キログラムの上海蟹から1050ppbのクロラムフェニコールの残留が確認されていた。

3件の上海蟹の輸入には中国衛生部による衛生証明書が発行されており、台湾の衛生福利部では、この証明書が偽造された可能性もあるとみて、中国側に原因究明を求める方針だ。

専門家によれば、海鮮物に残留したクロラムフェニコールは加熱しても壊れにくいそうで、人が摂取した場合は赤血球の生成を抑制し再生不良性貧血を起こす可能性がある。「大量の残留は毒を盛られたようなもの」だという。

問題のあった上海蟹を輸入した食品会社は、その後に輸入した蟹はすべて検査に合格しているとコメントしたが、消費者の中には「買って食べようと思っていたけど、そんな気がなくなった」と上海蟹を敬遠する人も出ている。
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)