かつてはかなりドラッグに溺れていた「エアロスミス」のスティーヴン・タイラー(65)。そのドラッグへの依存は「自分を見失うほどだった」と自伝でも告白している。だが、その抵抗しがたい誘惑と闘ってきた彼にとっては、医療現場で働く医師でさえ“ヤクの売人”に思えてしまうらしい。
「俺が使ったヤク代は、2000万ドルにも上ったよ。無一文になるところだった。ポルシェも飛行機も家も手放して、ヤクを買っては酒盛りに溺れる日々。どんどん自分を見失っていったね。」
こう自伝に記しファンを驚かせたスティーヴン・タイラーが、このほど健康情報トーク番組『ドクター・オズ・ショー』に出演。そこで長きに渡る依存症との闘いに触れ、以下のように語った。
「なあ、新たなドラッグの売人って誰だか知ってるか? それは医者さ。」
あまりにも意外な主張だが、スティーヴンはこう説明する。
「通りにいる、いかがわしい奴ってワケじゃない。」
「俺は世話になった多くの医者に“俺はアルコール依存から立ち直るプログラムをやっている”、“しばらくシラフ状態だ”って言ったんだ。すると医者はこう言うワケ。“ああ、それはすごい!”ってな。それなのに俺が帰るとき、“今晩眠れるように睡眠薬が必要なのでは?”なんて勧めてくる。」
依存症に苦しむスティーヴンにとって、これは“誘惑”に他ならないようだ。処方されたものとはいえ、安易に服用することでその薬までもがやめられない状態に陥ることを、スティーヴンは懸念しているのだ。
「精神状態が変わるようなものは“もう口にはできない”って医者には伝えたのに。」
そう語るスティーヴンはドラッグや鎮痛剤、アルコールの誘惑と闘っており、「人ってものは依存状態になりやすい」とも主張している。
「みんなそうだろ、な? だって水上スキーをやれば、次の週もまた行きたくなってしまう。“またやりて~!”ってなるだろ。」
依存症との闘いは、それを経験したことのない者には想像できないほど厳しく辛いものだという。薬を勧める医師でさえ「ドラッグ売人だ」と思えるほど、「依存症の克服は難しいもの」とスティーヴンは訴えたいのだろう。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)