NHK連続テレビ小説『純と愛』(2012年10月1日~2013年3月30日放送)でヒロインを務め、一躍国民的女優となった夏菜(24)。実は彼女には100本以上のオーディションに落ちた経験があり、中でもNHK連続テレビ小説の主役オーディションには過去2回も不合格となったそうだ。不合格続きで女優としてあとが無くなった彼女は、マネージャーのひと言で起死回生することとなる。それは夏菜が大切にしていた長い髪を、短く切ることであった。
9月5日放送の『はなまるマーケット』(TBS系)のトークコーナー“はなまるカフェ”で紹介されたのは、夏菜が16歳のデビュー当時の写真である。ほぼノーメイクであるが、目鼻立ちのハッキリしたロングヘアの美少女であった。
デビューしてすぐに、TBSのドラマでレギュラー出演が決まった。台詞もあり、彼女がメインとなる回もあった。何の苦労も無く、恵まれた女優のスタートを切った夏菜。しかし「芸能界って入ればすぐ売れるんだ」と、彼女はこの世界を甘く見てしまったのだ。
以降は他のドラマにも出演したが、だんだんと台詞が少なくなり、ついには役名もつかない扱いになっていく。だが必死になって数々のドラマや映画オーディションに挑戦するも、全て不合格。受けた100本以上のオーディションの中には、NHK連続テレビ小説の主役オーディションも2回あった。「それも一次で落ちたんですよ」と夏菜が明かすと、「一次でですか!?」と司会の薬丸裕英(47)が驚いていた。
大学には進学せず芸能界を選んだものの、仕事がほとんど無い毎日。生活費を稼ぐため地元の大型スーパーのアパレルで、アルバイトをしていたのは20歳の頃だった。
そんなある日のこと、マネージャーから突然電話で「髪をショートカットにしたら?」と提案されたという。以前からショートカットが似合う顔立ちだと彼女を見ていたマネージャーのすすめだったのだが、歌手の安室奈美恵に憧れていた夏菜はその意見に猛反発した。2時間くらいのやり取りの末、「オーディションに受かるためには何でもやってみよう」と説得され、しぶしぶ髪を切ることを決心したそうだ。
だが髪を切ったことで、夏菜の運命は変わった。映画『GANTZ』のオーディションに合格し、21歳の彼女に世間から注目が集まった。その後バラエティ番組のレギュラー出演を経て、『純と愛』のヒロインに大抜擢となったのだ。ショートカットにして、夏菜の美しさが際立ったことは確かに大きかったはずだ。しかし彼女は髪を切り気持ちがスッキリして、“このままではダメだ”とヤル気がでたのだという。上を目指す姿勢が彼女を輝かせ、生き生きとした「女優・夏菜」が誕生したのだろう。
下積みを経験し、予想もしていなかったバラエティ番組への出演、そして『純と愛』の現場での厳しい演技指導。どれも当時は大変辛く苦しかったそうだが、それを乗り越えた夏菜は間違いなく大女優への道を歩んでいるのだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)