今からほぼ4年前、麻酔薬プロポフォールを投与されたことによる急性薬物中毒により急逝したマイケル・ジャクソン。その死について責任の所在を明らかにしようとする民事訴訟がいよいよヒートアップしてきたが、今回その証言台に立ったのはマイケルの元妻デビー・ロウさんであった。彼女はいったい何を語ったのか。2回に分けてご紹介したい。
2009年6月に急性プロポフォール中毒により突然他界した“キング・オブ・ポップ”ことマイケル・ジャクソン(享年50)。その不法な死をめぐり、遺族は「ロンドンカムバック公演のために無理を強いられた」とAEG Live社(以下AEG)に対して破格の損害賠償を求める訴えを起こしていたが、このほどその法廷の証言台にマイケルの元の妻デビー・ロウさんが立った。
まずはここまでの主要な証言をざっとご紹介したい。16歳の長男プリンス君は、「父はAEGに殺されたようなもの。50歳になってまでムーンウォークをやるのはシンドイとこぼしていた」と証言し、マイケルの母キャサリンさんは「マイケルの背中は重いやけどを負ったような状態で、尋常性白斑とも長く闘っていたため鎮痛薬を複数使用していたが、中毒のようには見えなかった」と証言した。
一方でAEGのCEOランディ・フィリップス氏は、「マイケルはわが子のために豪華な家をまた購入したいと話し、“This Is It”ツアーはその夢を叶えるために彼の意思で企画されたもの」と証言。また過失致死容疑で訴追され刑務所に収監された当時の専属医コンラッド・マーレイは、メディアとのインタビューで「投薬して欲しいと泣いてすがるマイケルを見捨てるわけには行かなかった。マイケルは自分と出会う前から精神不安や睡眠障害で薬物依存に陥っていた」などと話している。
そのような中で14日、真っ青なシャツでその証言台に立ったのは、マイケルが通った元皮膚科医アーノルド・クライン氏のアシスタントとして働き、マイケルと結婚してプリンス君とパリスちゃんを産んだ元妻のデビー・ロウさん。時々涙で崩れながらも、彼女は結婚していた当時のマイケルについてこう証言した。
「マイケルの痛みに対する恐怖感は異常なほどで、治療中もすぐに“痛くしないで”と言う人でしたから、どの医師もマイケルには鎮痛作用を優先させればよいと考えるようになっていたと思います。」
「マイケルはお金になる患者ですから、複数の医師が“もっといい薬があります”と言っては彼の気を引こうとしていました。私が従事していたクライン氏もマイケルのためにベストを尽くしているようには見えませんでしたから、もっと信頼できる医師としてアラン・メッツガー先生をマイケルに紹介したこともあります。」
そしてデビーさんは「私もよく分からないんです。突然コンラッド・マーレイという医師が現れたのですから。マイケルを殺したのは彼です」と口走ったのであった。そして語られたのは、マイケルが実は美容整形手術で小さくした鼻にこそ大きな問題と苦痛が潜んでいたという事実。こちらについては<その2>でお伝えしたい。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)