スペイン警察は先月29日に、大西洋沖を航行していた漁船からスペインに向け密輸されたと見られる3トン以上のコカインを押収し、船長と乗組員4人を逮捕。さらに密輸に関わったとされる16人を拘束したと発表した。

この密輸事件について、スペインの複数メディアは韓国人船長と4人のインドネシア人船員、計5人が逮捕されたと報じている。また彼ら以外に密輸に関与したと見られる16人は、スペイン北西部ガリシア州のいくつかの町に身を潜めていたが、この逮捕劇の翌日30日に全員が拘束された。さらに10か所以上のアジトが一斉捜索され、ライフルやピストルなどの武器、書類、パソコンそして携帯電話などが押収されている。

スペインは南米をはじめ世界各地からヨーロッパに向けた麻薬密輸の入り口になっており、オンライン新聞『EL MUNDO.es』は今回の密輸も、ガリシア州を拠点に暗躍するベネズエラの麻薬カルテルが関与していると伝えている。また今年だけでも、3月にやはりベネズエラから密輸されたコカイン2キロがスペインに向かう船上で発見、先月6日にはヨーロッパの過去最高である52トンの大麻樹脂が南部コルドバの倉庫から発見され、関係者3人が逮捕された。
（TechinsightJapan編集部　椎名智深）