歌手クリス・ブラウン(24)は、実に多才なアーティストである。今年3月にはグラフィティアートの才能があることを証明して業界を騒然とさせたばかりだが、その才能を迷惑に思う隣人たちに苦情を言われていたことが明らかになった。
今年の3月に、クリスは知的障害や発達障害の子供たちを支援する「Best Buddies International」なる団体に協賛。ポップアート界で著名なロメロ・ブリット氏とタッグを組み街の壁にスプレーでグラフィティアートを描いたのだが、その出来栄えはまさにプロ級。あまりの素晴らしさにメディアやファンも度肝を抜かれ、予想以上の褒め言葉を受けたクリスも大変嬉しく思ったようだ。
そんなクリスが気を良くしてか、自宅を囲う壁に大きなモンスターの顔をいくつも描いてしまったのだ。この顔が実に気味悪く、近隣の子供たちはまさに震え上がっているという。この件で市民団体「Hollywood Dell Civic Association」の代表パティ・ネグリ(Patti Negri)さんは、『ロサンゼルス・ タイムズ』紙にこう語っている。
「(近隣には)大勢の赤ちゃんや子供たちがいて、みんな怯えきっています。まるで壁に悪魔がいるようなものですから。大きく恐ろしい目、怖い歯…とにかくこのような雰囲気に私どもは慣れていないのです。」
この苦情を受けて、当局はさっそく「無許可で法外な絵を描いた」として376ドル(約3万8000円)の罰金をクリスに科したとのこと。クリスは今後1か月以内にこのアートを消すように命じられたというが、「表現の自由」と考えているクリスの弁護士は強気の姿勢を崩してはいない。市民団体側は「とにかくアートのデザインなどを控え目にしてほしい」と要求するにとどめているが、それをクリスが受け入れて応じるかどうかは怪しいところだ。
過去にも隣人トラブルを起こしているクリスだけに「とにかく要求をのんで…」と言いたいところだが、アーティストとしての才能を認められ喜んだ彼にとって、これを消すことは屈辱的なのだろうか。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)