エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪】百獣の王・武井壮、“未来のタイガー・ウッズ”と期待されたゴルフ特待生時代を振り返る。

タレントの武井壮(39)は20代前半に陸上競技で活躍、十種競技の日本チャンピオンだったことは有名である。しかしその後、陸上の世界を離れた武井がゴルフの才能を見出され、アメリカへ渡った時期があったことはあまり知られていない。“未来のタイガー・ウッズ”とまで期待されたのに、なぜゴルフを続けることができなかったのだろうか。

4月8日放送の『謝りたい人がいます』(TBS系)に出演した武井壮は、短かったゴルフに打ち込んだ時代について語った。

それは彼が25歳の時。“未来のタイガー・ウッズを育てる”というダンロップの特待生に応募したのだが、武井が初めてゴルフクラブを握ったのはそのオーディションの日だったという。合格者には衣食住が保障されたアメリカで1年間、コーチとマネージャー付きでゴルフが学べる環境が約束されていた。そのオーディションで全くのゴルフ初心者だった武井は、プロゴルファーの尾崎将司を超えるスイングのヘッドスピードをたたき出したそうだ。

ゴルフ特待生に選ばれアメリカに渡った武井は毎日、15~6時間を練習に費やした。その結果、ベストスコアは73にまでなった。一般の平均は108、プロゴルファー石川遼の2012年国内平均は70.43というから凄まじい上達ぶりである。だが、プロへの道はそう甘くはなかった。

1年間の特待生を終えて帰国した武井は、まだまだゴルフの経験が足りないということで引き続き研修生の扱いとなった。研修生は恵まれたアメリカでの生活と違い、ゴルフ場でキャディの手伝いや掃除などのバイトをしながら、そこでゴルフの練習をさせてもらうのである。

ゴルフだけに打ち込めた、アメリカでの恵まれた1年間の生活。それなりの結果を出しての帰国だったのに、彼を待っていたのは極貧生活とゴルフの練習時間も満足にとれない環境であった。彼は陸上競技でもそうだったが努力に努力を重ね、短期間で結果を出してきた人物だ。常に“攻めの姿勢”で人生を歩んできた武井に、“堪え忍ぶ”ことをゴルフから学ぶことが当時はできなかったのだ。

ゴルフをやめると決意した時、特待生のオーディションの頃からお世話になっていた方に武井は手紙を書いていた。何を書いたのか忘れていたものの、番組スタッフから当時の手紙を渡される。それを読み返した武井は愕然とし、涙を流した。手紙には周囲の自分に対する評価へのグチ、「クダラナイ人間ばかり」とこき下ろし、ヤル気が出ないのは環境のせいなどと文句ばかりが延々と綴られていた。お世話になったお礼や期待に添えなかったお詫びの言葉は、何一つ書かれていなかったのだ。

「なんて傲慢で、謙虚さが無い人間だったのだろう」と恩人の前で、泣きながら謝る武井。しかし過去の自分の過ちを素直に認め恥ずかしいと悔やめるなら、きっと彼は広く優しい心を持つ“百獣の王”になれるだろう。
(TechinsightJapan編集部 みやび)