AKB48グループの武道館公演最終日で「春のメンバー人事」が発表された。SKE48やNMB48の兼任や研究生の昇格とともに、SNH48、JKT48の海外移籍組についてもAKB48との兼任が告げられた。宮澤佐江や鈴木まりや、高城亜樹がGoogle+やブログで心境を綴っているが、それぞれに違った思いで受け止めたようだ。
日本武道館で4日間、繰り広げられた『AKB48グループ臨時総会~白黒つけようじゃないか!~』の最終日となった4月28日。AKB48グループ総支配人の戸賀崎智信氏から「春のメンバー人事」が発表されると、武道館がどよめいた。指原莉乃がHKT48劇場支配人兼任(現支配人と2人体制)という前代未聞の人事も沸いたが、海外移籍中のメンバーがAKB48と兼任という形で戻ってくる人事には他のメンバーも感激していた。
中国・上海を拠点とするSNH48に移籍した宮澤佐江と鈴木まりやが、AKB48と兼任することは分からないでもない。日中の国交が絡んで就労ビザがおりないなど活動する環境が整っていないからだ。だが、宮澤佐江はブログ『おやすみなさえ』で、「春の人事異動について、とりあえず一言先に書かせて頂きます」と兼任でAKB48チームKに戻ることを報告すると、「今の気持ちは正直複雑です」と本音を明かしている。
彼女にとって日本のファンと会う機会やパフォーマンスを見てもらえる場が増えることはもちろん嬉しいのだが、「SNH48としてやっていく!と決めたのに、自分なにもできてないじゃん。という悔しさもあって、気持ちがぐちゃぐちゃしています」、「素直に喜びたいのだけど、それが失礼だととらわれてしまうことだってあるし…」と心の整理がつかない状態なのだ。
武道館で発表を聞いた瞬間、気難しい顔になってしまったのもそうした複雑な気持ちが沸いて「いいのかな?って思ってしまって、あんな顔になってしまいました」と説明しているが、AKB48メンバーは素直に彼女の兼任を喜んでくれている。秋元才加はそんな彼女の気持ちを知って、『宮澤佐江 ツイッター』に「不謹慎かもしれないけど、才加は一瞬喜んでしまった。だってファンの方々はずーっと佐江を待ってたから。…色々のみ込めないけど、支える為に仲間がいる」と伝えているのだ。
一方で、同じSNH48の鈴木まりやは今回の兼任を比較的素直に喜んでいる。『鈴木まりやオフィシャルブログ(仮)』では、「突然のことで驚きました」と“春の人事異動”について「喜んでくれる人、納得いかない人いると思いますが、わたしはこの機会をチャンスにしたいです!」と前向きに受け止めている。それでも彼女にとってSNH48に移籍したことは大きな決断だったために、兼任とはいえ再びAKB48に戻ることはすぐに理解できなかったという。しかし「これからの人生にプラスになって、成長していけるようにするのは自分次第だと思います」と考えたのだ。
インドネシア・ジャカルタのJKT48に移籍している高城亜樹は、『高城亜樹 Google+』で「今の気持ちはブログに書きます。でもすこし冷静になる時間を下さい」と今回の人事に触れており、まだ気持ちの整理がついていないようだ。彼女の場合はともに移籍した仲川遥香が今回の人事で異動にならず、そのままJKT48専任として活動することもあり気持ちはさらに複雑だろう。
その仲川遥香は6月に行われるAKB選抜総選挙についても立候補しておらず、「私は不器用だから、総選挙に出ることによってどちらも中途半端になってしまう気がする」と今はJKT48の活動に集中したいことを『仲川遥香 Google+』で説明していた。そんな彼女の意向も考慮して、今回の人事でも兼任とはしなかったようだ。
今回の「春の人事」によって海外移籍メンバー4人の思いは様々だろう。特にAKB48と兼任することになった3人については、これまで以上に移動が増えて多忙となるが、自分の方向性を見つめなおす良い機会ともなりそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)