近年、バラエティ番組を牽引し『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』の演出・プロデューサーを担当する加地倫三氏が、番組制作の裏側を明かす本「たくらむ技術」を出版して話題になっている。これらの番組の影の立役者ともいえる辻稔カメラマンが、テレビ出演しインタビューに応じた。
4日深夜の『ショナイの話』(テレビ朝日系)で、ケンドーコバヤシが数々の人気バラエティ番組を手掛ける辻稔カメラマンにインタビューを行った。
辻稔氏は、バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』をレギュラーに抱える、フリーで活躍中の人気カメラマンである。普段は撮る立場の辻氏だが、今回は撮られる立場。「恥ずかしい」と言いながらも、芸人たちを撮るにあたっての裏話を披露した。
ケンコバから「自分を撮る時に注意している点は?」と聞かれた辻氏は、ケンコバのように話題に関係ない話を突如する芸人=“カットイン芸人”は、いつ話をし始めても逃さないように常に狙っていなければならず「ちょっと困った芸人」と本音明かした。この“カットイン芸人”には山崎弘也(アンタッチャブル)、藤本敏史(FUJIWARA)、高橋茂雄(サバンナ)などが含まれるそうだ。
「カメラマンは演者が自由に演じているのを撮る」というのが基本と話す辻氏は、エド・はるみなどの動きのあるネタにも取りこぼすことなくきっちりとカメラに収め、さらにズームなどを駆使し笑いを増幅させることに工夫を凝らしている。だが、つい演者に注文を出してしまうこともあるという。『アメトーーク!』で興奮した蛍原徹(雨上がり決死隊)が「コバー!」と言って立ち上がり、カメラに背を向けてしまうとその表情が撮れないため、本人に若干カメラを気にしてもらうようにお願いしたとのことだ。
辻氏はその独特の個性からか、演者の口から名前が出たりイジられたりと裏方だけにとどまらない活躍で一般にも知れ渡っている。中でも『アメトーーク!』の「運動神経悪い芸人」では、村上健志(フルーツポンチ)の運動音痴ぶりを見て「あのコのヒザは曲がらないのかな?」と名言を漏らしたカメラマンがこの辻氏である。この発言に腹を抱えて笑った人は多いのではないだろうか。今後も、辻氏のカメラワークから目が離せない。
(TechinsightJapan編集部 佐々木直まる)