健康食品も過剰に摂るとやはり体に毒、禁物なのかも知れない。ある男性がクリスマスに病院に救急搬送されたが、意外にもヘルシーだと思われていた野菜の摂取が、突然の体調不良を引き起こしてしまったようだ。
スコットランドはウェスト・ダンバートンシャーでこのクリスマス、エアーシア出身のある男性が大量に野菜を食べた後、突然の体調不良を訴え、クライドバンクにあるゴールデンジュビリー国立病院に救急搬送された。男性は心不全を起こしていたが、医師らは「何か解せないものがある」として訝しがった。
そしてようやく突き止めた原因は、その夜のディナーで男性が大量に摂った芽キャベツであった。そこに多く含まれているビタミンKが、男性が連日服用していた血液を固まりにくくする作用のある抗凝固剤(抗血栓剤)の働きを弱めてしまったというのだ。
心臓医学を専門とするロイ・ガードナー博士は、「抗凝固剤を飲んでいる患者さんは、あまり多くの葉菜を食べないよう心掛けて欲しい」と話す。ビタミンKは納豆に多く含まれることで知られているが、葉菜にも多く、健康食品として人気の「青汁」や「クロレラ」にも豊富。日本でも、脳梗塞や心筋梗塞を避けるために抗凝固剤の「ワーファリン」が処方されているが、それがビタミンKを多く含む食品と「拮抗」の関係にあることを、医師や薬剤師からきちんと説明されているはずだ。
ゴールデンジュビリー国立病院のジル・ヤング院長は、その男性の心臓はすでに安定した状況を取り戻したとした上で、「芽キャベツでもこのような症状を引き起こすなど初めてです」と語り、この症例を『Medical Journal of Australia』誌に詳しく伝えたそうだ。
「~が~を予防する」、「~に信じられないほどの抗酸化作用」、「~で免疫機能UP」。昼間のテレビでこのような話題が紹介されると、どこの店でもその食材が入手困難になったりする。ブームは1か月もなく去るようだが、それで良いのかもしれない。情報に振り回されるのはほどほどに、好き嫌いをせず広く浅く何でも食べることが大切なのだろう。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)