映画『jOBS(原題)』で故スティ-ブ・ジョブズ氏(享年56)の役を演じた人気俳優アシュトン・カッチャー(34)。そんな彼が映画撮影に先立ちジョブズ氏になりきるべくあることにチャレンジしたというが、それが原因で体調を崩し病院へ行く羽目になっていたことを明かした。
アップル社の設立者のひとりで2011年に逝去したスティーブ・ジョブズ氏。そんな彼を描く映画『jOBS』にジョブズ役で出演した俳優アシュトン・カッチャーが、役作りの段階で体調を崩し病院に行く事態に陥ってしまったという。サンダンス映画祭のプレミアに登場したアシュトンは、AP通信に対し以下のように当時の状況を告白している。
「映画の撮影スタートの2日前に、病院に行かなければならなくなったんだ。」
「痛みのせいで立っていられないような状態になってしまってね。膵臓の状態を示す数値もおかしくなっていたんだ。あれこれ考えて、本当に怖い思いをしたよ。」
ジョブズ氏が膵臓がんでこの世を去っていることもあり、「演じる自分がまさか同じ運命を…」とアシュトンが不安になったとしても無理はない。だが体調不良の原因は、ジョブズ氏が行っていた「fruitarian diet(=果物、ナッツ類、たね類のみの食生活)」を実践し役作りをしたことだったとアシュトンは語る。役作りにかなり真剣に取り組んだようだが、食生活をまねる以外にもジョブズ氏の友人たちにインタビューをする、同氏をとらえた映像を何百時間もかけてチェックするなどし、かなり入念に準備をしたのだそう。その役者根性には「あっぱれ」という声も多くあがっているが、アップル社の共同設立者は公開された映画シーンを確認したうえで「登場人物の性格も含め、事実とは異なる」とコメント。衣装のほか登場人物の関わりあいについても事実とはほど遠いとのことだ。
ちなみに映画祭での評価は、まずまずといったところ。良いものも悪いものもあるようだが、アシュトンの演技については「良かった」との評価を下す批評家が目立ったようだ。入念な役作りをしたものの「多くの人に支持され色々なオピニオンを持たれた人物を演じるのは怖かった」というアシュトンだが、この経験により俳優としての実力もまたひとつアップしたに違いない。アメリカでの同映画公開は4月予定とのこと、アシュトンのファンも故ジョブズ氏のファンも、その公開を今から心待ちにしている。
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)