NHK連続テレビ小説『純と愛』の主題歌「いちばん近くに」を提供したバンド・HY(エイチワイ)が、歌に込めた思いを語った。ドラマの台本を読んで書き下ろし、演奏したこの楽曲にはメンバーそれぞれに違ったイメージがあるようだ。
昨年の10月1日から放送が始まった『純と愛』は、沖縄県宮古島で育った狩野純(夏菜)が大阪で出会った待田愛(風間俊介)と共に夢を追いかける姿が描かれる。沖縄出身のバンド・HYは番組のプロデューサーから「『純と愛』の素直でナチュラルなところがHYとリンクするから」とテーマ曲を依頼されたという。
1月18日の『スタジオパークからこんにちは』で、彼らは楽曲やドラマについて語った。また、スタジオで「いちばん近くに」をアコースティックバージョンで生演奏すると、観覧客や視聴者も感激していた。
新里英之(ギター、ボーカル)は、台本を受け取り読み進めると「ドラマの内容がおもしろくて曲作りは後回しになるほどだった」と話す。彼にとって、台本を読んでから書き下ろすという経験は初めてなのだ。純と愛の頑張る姿を知った上で、新里は「何かを乗り越える時に、信じることによって力が生まれる。ドラマに描かれている“信じる”ことを歌で表現した」と語った。
仲宗根泉(キーボード、ボーカル)は、ドラマ中の純と父親の狩野善行(武田鉄矢)との関係が特に印象的だと口にする。「父が厳しく母は優しいところや、純とお父さんがケンカしながらも分かり合うところは私の家族のことかと思った」というほど実家の様子に似ていたらしい。彼女は純と愛のことはもちろんだが、家族のことも思いながら歌っているのだ。
また、名嘉俊(ドラム)は「10年間以上もやってきたが、この歌はこれまでと違い歌謡曲や演歌のメロディのように感じる部分もある。1曲の中にいろいろな絵が描けたと思う」と話す。彼はドラマが放送されると「友人たちから『ドラマの先はどうなるの? 本当は知っているんでしょう』と聞かれるようになった」と周囲の反応に驚いたことも明かした。
ドラマの内容はもちろんだが、HYの楽曲「いちばん近くに」のファンも多い。視聴者からは「学校帰りにいつも熱唱して帰っています」、「毎朝、『♪信じていれば~』と聞こえると元気をもらい、涙さえ出てくる」といったメッセージが届いていた。
「HYさんの歌が流れると、7か月の子供は泣いていようがミルクを飲んでいようがテレビに釘付けになる。ニコニコしているので大好きなようです」といった報告もあり、ナチュラルなサウンドは赤ちゃんの心にも届くようだ。ドラマは3月末で終わる予定だが、その後も楽曲は多くの人に愛され続けるだろう。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)