政治評論家の三宅久之さんが15日、都内の病院で死去した。三宅さんは今年の3月31日に政治評論家としての一線から退き、テレビやラジオでの出演を全て降板していた。このたびの訃報に『大竹まこと ゴールデンラジオ』では、三宅さんが引退する前の3月26日に出演した際の音声を番組で再度放送した。
亡くなられた政治評論家の三宅久之さんは、引退する5日前の3月26日に『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送)に出演していた。同番組メインMCの大竹まこととは『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)でもたびたび共演し、政治について激しく意見を交わし合った仲だ。
三宅さんは政治の魅力を聞かれると、「下手なドラマも及ばないくらいのドラマがある」と語る。政治は本来、ドロドロとした権力争奪の世界であるという。抱負経綸(※国家を治め、秩序あるものにするための計画や決意)を持っていても、“権力”を握らなければ何も実現できない。そのため政治家は、時に“権力”のために政治を行おうとする。しかし、それだけでは味気ないのだと話す。「政治は、国民に夢を与えるものでなくてはならない」と訴え、「今の政治には夢も希望もない」と嘆いた。
大竹はこの時の三宅さんの音声を聴き、重度の糖尿病を患っていたためか「今にして思えば、少々息が苦しそう」だと語る。さらに大竹は、三宅さんの引退後に大竹の現在の活躍を喜ぶような内容の手紙をもらったことも明かした。
普段はこころ優しく、時に激しく政治を論じ晩年まで現役でいた三宅さん。現在の国会に巻き起こる未曾有の混乱を見て、どう意見しただろうか。政治への愛とエネルギー溢れる三宅さんの論ずる声が聞けないことに、喪失感を覚えざるを得ない。三宅久之さんの御冥福をお祈りいたします。
(TechinsightJapan編集部 佐々木直まる)