「いつになく不安よ、アタシ」。レギュラー番組で共演している夏目三久を目の前にして、マツコ・デラックスの表情は険しい。いつもはこの2人の間に有吉弘行がいるのだが、今回は夏目とマツコだけの対談である。いつもと変わらない夏目に対し、マツコは何故か落ち着きが無いのだ。
9月29日深夜放送の『ナツメのオミミ』(テレビ朝日)最終回のゲストに招かれた、マツコ・デラックス。夏目との共通点は、会社勤めをした経験があるということ。マツコも夏目と同じくらいの年齢で、物書きとしてフリーの道を選んだのだ。
ゲイであることを公言しているマツコが“安定を求める人生”を捨てたのは、これからも血の繋がった自分の子どもを育む責任が無いことが理由だと話す。“自分の命よりも大切にする命”これは人間が背負う責任の中で、最も重いものだと考えているのだ。「それに気付いた28歳の時、自由に生きる道を選んだのよね」と語るマツコ。だから楽をさせてもらっている―と言いながらも「自己主張する人間は、自分のケツは自分で拭けなきゃ絶対ダメ!」と手厳しい。
夏目はフリーになってから髪型をベリーショートに変え、モードで個性的な洋服を選ぶようになった。フリーになったとはいえ、“男に媚びない”ファッションを打ち出してきた彼女は「元々女子アナには向いていない変わり者」だと、マツコは力説する。
だが未だに「何の保証も無い、フリーの立場に不安がある」という夏目に、マツコはこう助言した。「人生で一番欲しいモノは何かを考えて」。
確かに夏目がフリーになったのは、自らの強い意志によるものとは言い難いだろう。ただマツコはいつも夏目を、“媚びない”“気が強い”“折れない”と評する。この姿が本当の彼女なら、遅かれ早かれ会社組織を飛び出したはずだ。「アンタは女子アナ向きじゃない」と何度も言うマツコの本心は、いつも密かに夏目を応援しているように思う。
(TechinsightJapan編集部 みやび)