“お笑いコンテスト”といわれる大きな大会では、いずれも予選からの参加人数は何千組にも及び、その中で日の目を見るのはほんの一握り、多くはお笑いの世界を諦めて別の道で生きて行くことになるそうだ。今年大ブレイクしたスギちゃんは、『R-1ぐらんぷり2012』の準優勝者、何千人のピン芸人の中からのし上がってきたのである。
10月5日放送の『たけしのニッポンのミカタ! SP(テレビ東京系)』にゲストで招かれたスギちゃんが、「ネットを開けば自分のことは、“消える、消える”という書き込みばかり。何なんでしょう」と訴えた。彼のブログも今年の春頃までは応援メッセージで溢れていたが、テレビ番組への出演が増えると気が滅入るようなコメントも寄せられることが多くなってきたようだ。
“お笑いを本業にできなかった悔しさ”をネットにぶつける。その矛先がスギちゃんに向かっていたとしても、「夢が叶わなかった人の特権」だと考え、気にしないように-と、ビートたけしはアドバイスした。何より“消える”と言われることは、芸人として売れた証拠である。「卑屈になることはない」とたけしはスギちゃんに言いたかったようだ。
“一発屋”という新しいジャンルの芸人らが、バラエティ番組へ出ているケースが最近は多いことも番組で話題になった。テレビだけでなく、地方の営業にも引っ張りだこである。仕事の無い芸人から見れば、“一発屋”だとされる彼らでも十分に売れているのである。たけしも「どうせ“一発屋”なんてメディアが付けた“くくり”」だとし、「それを利用して、見ている人に面白がってもらえれば良いんだから」と語った。
“消える”、“一発屋”そんな批判を気にするよりも、芸人ならいかに見ている人に笑ってもらえるのか、面白がってもらえるのか。たけしが今のスギちゃんなら、ケガが完治していないことをネタにして、「痛えじゃないか、この野郎! 近づくんじゃねぇ」と暴れるそうだ。
(TechinsightJapan編集部 みやび)