writer : yonashi

【ドラマの女王】やはり演技はイマイチの山田優も、勝負師・飯田譲治氏の真骨頂を見た。『VISION』

木曜深夜に放送されている木曜ミステリーシアター『VISION-殺しが見える女-』が本日、27日深夜にいよいよ最終回を迎える。

売れないモデルの栗栖玲奈(山田優)は殺人風景が見えるという特殊能力を持つ。ある日、休職中の刑事・浅野和馬(金子ノブアキ)と出会い、奇妙な殺人事件に遭遇するようになる。殺人の共通点は「クリスティーナ」。犯人は玲奈のことをクリスティーナと呼んだ。身に覚えのない玲奈は和馬と一緒に事件を追っていく。

放送当初は山田優が久しぶりにドラマ出演していることに驚いたが、相変わらずの演技力に愕然とした。加えて、ストーリーもチープなものに見えてしまい、期待は持てないと思っていた。しかし最終回目前に来て、初回の野暮ったさが嘘のようにドラマ自体が変貌を遂げていた。玲奈の特殊能力の謎、クリスティーナの正体、オンラインゲームによる洗脳など、どれも思いがけない展開だ。いずれも無理矢理こじつけたものではなく、しっかり計算して作られたもの。次から次に明らかになる真相にドキドキハラハラした。まさか、このドラマにここまで心躍らされるとは。本格ミステリー小説のような展開に終始釘付けだ。

それもそのはず、このドラマの原案・脚本は『NIGHT HEAD』や『沙粧妙子 最後の事件』を手がけた飯田譲治氏、その人だったのである。確かに、前回放送分は『沙粧妙子』のような現実離れした猟奇的な空気が漂っていた。一体いつからこのドラマはその正体を明かしたのか。全話しっかり見なかったことが悔やまれる。それほど初回とのギャップが激しい。はじめから、このような雰囲気で作ることも出来ただろう。その方が視聴者を引き込んだはずだ。にもかかわらず、あえてそれをせず知らず知らずのうちにドラマの大きなうねりに飲み込まれていく展開を選んだのはすごい。記者のように早い段階で見切りをつける人も多くいるだろうに、あえてこの展開を選んだ。まさに飯田譲治氏は勝負師といえる。これは相当の力量でなければ出来ないことだ。

肝心の演技に関しても、和馬役の金子がキッチリ抑えていた。やはり彼は、緊迫した迫力を要する演技に長けている。前回の放送に至っては、ほとんど彼の回であったことも大きいかもしれない。画面の空気を引き締める力がある。

本日、最終回を迎えるが、玲奈の能力の正体、クリスティーナの謎、そして和馬の運命と気になる謎がどのように明かされるのか楽しみで仕方がない。そして、そう遠くないうちに再放送かDVDで全話鑑賞したいところだ。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)